「AIを制する者が未来を制す」AI革命への投資がNAV上昇の鍵を握る-ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第2四半期 決算説明会レポート

「AIを制する者が未来を制す」AI革命への投資がNAV上昇の鍵を握る-ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第2四半期 決算説明会レポート

2020年11月9日、ソフトバンクグループ株式会社が2021年3月期 第2四半期 決算説明会を開催。代表取締役会長 兼 社長執行役員 孫 正義が登壇し、第2四半期の業績や重要指標「NAV」の概況、ソフトバンクグループが今後進むべき方向について語りました。

ソフトバンクグループの価値は「NAV」を見れば分かる

2021年3月期 第2四半期の連結業績について、孫は2枚のスライドだけでシンプルに説明。純利益は前年同期比で約4.5倍の1兆8,832億円となり、同期間として過去最高を記録。その要因にビジョンファンド事業の反転回復があると説明しました。

一方で、ソフトバンクグループが重視する指標は「株主価値」とほぼ同じ意味を持つ「NAV(Net Asset Value)」であると語り、「当社の価値はNAVを見れば分かる」とNAVの重要性を強調。「ソフトバンクグループのNAVは、過去18年間で157倍の27.3兆円となっている」と述べた上で、これからはAI分野が伸びるという見通しを述べました。

AIを制する者が未来を制す

AIの可能性を語った孫は、続いて1本の動画を流しました。動画の内容は「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する。アジアを制する者が世界を制する」と発言した2008年5月の決算説明会のもの。孫は「この発言は概ね当たったと考えている。今日は、次の10年間ソフトバンクがどこへ向かうのかを表す言葉を残したい。それは『AIを制する者が未来を制す』だ」とAI革命に秘められたインパクトの大きさを語りました。

「AIを制する者が未来を制す」AI革命への投資がNAV上昇の鍵を握る-ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第2四半期 決算説明会レポート

AIの進化は「推論」「創造」まで達している

孫はAIが人間同様に「計算」や「記録」だけでなく、「理解」「推論」「創造」の域まで進化していることに触れ、GPU性能の実行速度が4年で9倍になり、学習アルゴリズムの効率は1年で8倍になったとNVIDIAにおける実績とコンピューティングの進化について述べました。続いて具体的な事例として、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先の中からモビリティや医療分野などにおける先進的な事例を動画で紹介しました。

自動運転では道路標識などを認識、推論しながら配送する模様を紹介。これらが現実になると世界中のGDPの11%を占め、人を運んだり、物を運んだりする「モビリティ」の常識が根底から変わるだろうと語りました。

99%の精度で心不全を予測するAIも誕生

米国では死因のトップである心臓疾患の臨床で、すでに患者データのAI解析で心不全を14日前に99%という高い精度で予知できるようになった事例も紹介。予知によって、最適な投薬、再入院率の低下、医療費の減少といった効果がもたらされることなど、世界のGDPの約10%にあたる医療分野への期待を語りました。

また、AI革命で情報革命をサポートする投資家として、ユニコーン企業だけでなく上場会社を含めて投資していく姿勢を明確にし、その投資手法と投資の状況についても示しました。

ガバナンスを強化するため経営体制を変更

最後に世界でのガバナンス強化を目的とした継続的な取り組みの一環としてソフトバンクグループを新しい経営体制へ変更するとして、社外取締役の比率を増やすと共に、社内の役員は執行する側に専念し、それを管理監督する取締役会とに役割を分け、ガバナンスを強化していくと述べ、決算説明会を締めくくりました。

資料

プレゼンテーション資料(PDF形式:8.68MB/119ページ)