万が一自分が死んだら? 家族に「デジタル遺産」を残す方法
故人のPCが開けず有料サービスの解約ができない
筆者は最近父を亡くしました。97歳の大往生だったのですが、困ったのはネット関連サービスの解約でした。高齢の割にはITを活用していた父だったため、自宅のプロバイダ・携帯電話・有料サービスの契約がありました。プロバイダや携帯電話は電話で解約できましたが、有料サービスの解約処理でもたつきました。
PCのパスワードがわからないためメールを見ることができず、どんなサービスに入っているのかが不明だったのです。亡くなってから三ヶ月たって、解約したはずのクレジットカードに謎の引き落としが発生。調べてみると国内ソフトメーカーの有料月額サービスだとわかり、ようやく四ヶ月後に解約できたのです。
このように亡くなった場合のIT関連の引き継ぎ・解約は面倒です。筆者の父はネット利用がそれほど多くなかったので何とか処理できましたが、ITをフル活用している人が亡くなった場合はとても大変でしょう。
ITが普及して20年が過ぎ、IT利用者も高齢化しつつあります。筆者の友人でも親をなくしてパスワードがわからず困った例、働き盛りの伴侶をなくしてネット証券口座・FX口座の対応に困った例があります。
ネットバンキング、ネット証券、サブスク、暗号資産(仮想通貨)など、私たちは今や「万が一自分が死んだ場合」のデジタルに残る遺産=デジタル遺産のことを考えておく時代になったのです。どうすれば家族にデジタル遺産を残せるか、プライバシーとセキュリティを保ちながら、万が一自分が亡くなった場合のための準備をしておく必要があります。