人気プロ絵師が大画面の液タブ「Wacom Cintiq 22」を使って分かったこと:やはり大画面は気持ちいいよ(1/3 ページ)
こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。
今回は発売から少し時間が経ってしまいましたが、ワコム「Cintiq 22」をレビューしていこうと思います。
ワコムの「Cintiq 22」とは?
2019年の1月、Cintiqといえばどれだけ安くても10万円以上と思っていたところに「Cintiq 16」が7万3224円(ワコムストア価格、以下税込み)で発売されて、驚いたのを覚えている人もいるでしょう。Cintiq 16は、画面や接続仕様などはCintiq Proシリーズほどではないものの、シンプルになってかえって素直で扱いやすくなっているのに加え、キーコンポーネントであるペンには上位機と同じ「プロペン2」を採用した、大変魅力的な機種でした。
そこから約半年後の2019年7月、21.5型のCintiq 22が12万1000円で発売されました。10万円以上にはなってしまいましたが、先代のCintiq 22HDが発売時には19万8000円だったので、それでもずいぶん安くなっています。基本的な仕様はCintiq 16と同じでサイズが大きくなったと考えて良いと思います。Cintiq 16について心得がある方は、既に色々と想像がつく面もあると思いますが、実際、どんなユーザーに合う機種なのでしょうか。早速見ていきましょう。
21.5型ディスプレイを採用した「Wacom Cintiq 22」ボディーと接続回りをチェック
本製品は、基本的にCintiq 16を踏襲していて、ソリッドで美しいデザインです。ディスプレイの周囲にショートカットボタンやダイヤルはないですが、これはCintiq Proシリーズも同じです。「ExpressKey Remote」や左手デバイスで補助したり、ドライバの「オンスクリーンコントロール」を使ったりするのも良いでしょう。特にオンスクリーンコントロールはマクロキーのような動作もできて、画面の好きな場所に配置できるのでとても便利です。
通常の操作はキーボードショートカットで行い、ここにはマクロを登録しています基本的に、目に入る範囲に光沢部分はなく、とても落ち着いています。ただし、ケーブルは電源、HDMI、USBの3つのケーブルをそれぞれ刺す形式なので、本体を寝かせ目にした配置ではちょっと煩雑な見た目になりがちです。
本体の角度をつければ、ケーブルはほとんど視界に入らなくなりますまた、Cintiq Proのような内蔵スタンドは備えていないものの、付属の外付けスタンドはとても機能的です。非常に低い角度からほぼ垂直まで、細かい単位で調節できます。Cintiq Proの内蔵スタンドはかっこいいですが機能的には質素すぎて、しっかりした製作には、結局別売スタンドを買うか自分で工夫する必要がありました。なので、これはうらやましいと思います。
一方で、先代のCintiq 22HDのスタンドのような、本体を少しハイマウントにする機能まではありません。
本体下部に大きなゴム足があって、設置時の安定感は高いですそして、ちょっと面白い工夫があります。タグ型のペンホルダーを本体の左右に付け替えられますが、ペンホルダーの留め具の中に替え芯と芯抜き器が入っているのです。
タグ型のペンホルダーを内に、替え芯と芯抜き器が入っていて、思わずクスッとしてしまいます機能や性能をチェック!
続いて、機能を見ていきます。
まず、本機はCintiq Proシリーズと違って、タッチ機能がありません。タッチ機能なんていらない、という人も多いと思いますが、今どきのWindowsはタブレット端末や2in1 PCの普及でタッチ操作がだんだん便利になっています。自分は主にイラスト以外の一般的な用途でタッチオペレーションを多用しているので、できれば欲しい機能でした。
また、Cintiq Proは液晶とカバーガラスの間に空気層がなく、表面もガラスでしたが、本機では空気層があり、表面はプラスチック製です。空気層があると反射面が増えるので、部屋が明るいと黒が浮いたような見た目になります。部屋を暗めにすれば空気層があってもクリアーに見えるので、自室で使うのならば運用でカバーできます。
電源オフ状態で、Cintiq Pro 16とCintiq 22の「黒」を比べていますプラスチックの表面は非常に細かいマット加工で、高品質ではありますが、ガラス製ほど硬くないためフェルト芯は非推奨です。Intuos Proなどの摩擦の大きいペンタブレットに慣れていたり、従来の液晶タブレットでフェルト芯を好んで使っていたりした人は、この点は気を付けたほうが良いでしょう。
ディスプレイの表示能力は?