働き方のアップデートに「Windows 11×モダンPC」をどう活用すべき? 日本マイクロソフトの中の人に直接聞いてみた:IT担当者必見!(1/3 ページ)

働き方のアップデートに「Windows 11×モダンPC」をどう活用すべき? 日本マイクロソフトの中の人に直接聞いてみた:IT担当者必見!(1/3 ページ)

 長期的な外出自粛期間を経て、多くの企業やビジネスパーソンは、場所を問わずに働く「テレワーク」のためのノウハウを獲得したことだろう。一方で、オンラインだけでは円滑に回せない業務が存在することも事実である。

 そのこともあり、ビジネスシーンの現実的な解として、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が注目を集めるようになった。

 オフィスワークとテレワークの適切なバランスは企業や業務内容によって異なるが、「新しい働き方」を実現するために高いパフォーマンスを発揮できるノートPCが欠かせないことは共通している。従業員のポテンシャルを高めるための“相棒”の選択に、頭を悩ませている企業や団体のIT/情報システム担当者も少なくないだろう。

 そこで思い出したいのが、日本マイクロソフトが提唱する「モダンPC」だ。2021年秋に登場した新しいOS「Windows 11」では、PCをより活用しやすくする機能改善はもちろん、セキュリティ面の信頼性向上も行われている。「モダンPC×Windows 11」は、間違いなく従業員の“力”となる。

 とはいえ、リリースされてから間もないこともあり、Windows 11に関する情報を多く持ち合わせていない人も少なくないだろう。「本当に導入しても大丈夫なの?」と不安を覚える気持ちも分かる。

 そこで、「日本で一番Windows 11に詳しい人」こと、日本マイクロソフトの春日井良隆(かすがいよしたか)エグゼクティブプロダクトマーケティングマネージャーに「Windows 11」について気になるポイントを尋ねてみた。企業や団体におけるPC選びの参考になれば幸いだ。

やりたいことをよりシンプルにこなせるようになった「Windows 11」さまざまな質問に答えてくださった日本マイクロソフトの春日井良隆氏

最近のPC選びのトレンドは?

―― まず、簡単に自己紹介をお願いします。

働き方のアップデートに「Windows 11×モダンPC」をどう活用すべき? 日本マイクロソフトの中の人に直接聞いてみた:IT担当者必見!(1/3 ページ)

春日井氏 日本マイクロソフトのマーケティング部門のうち「Microsoft 365」を担当するチームに所属しています。このチームには、WindowsやOffice、セキュリティ製品の担当者が在籍しています。

 私が担当するのは「Windows 11」と「Microsoft Teams」です。私にとっての“子ども”のような存在ですから、大きくなって皆さんに愛されると“親”としてとてもうれしいです。

―― 早速本題に入りますが、ここ1〜2年ほどのPCの使われ方には、どのような変化が出てきたのでしょうか。その変化を踏まえて、テレワークやハイブリッドワークで最適なPCを選ぶ上で押さえておきたいポイントがあれば合わせて教えてください。

春日井氏 皆さんご承知だとは思いますが、この1〜2年は良くも悪くもコミュニケーションの手段が「対面」から「オンライン」に移行せざるを得ない状況でした。仕事や学習から私生活まで、ありとあらゆるものが「リモート」で行われる中で、スマートフォンやタブレット、そしてノートPCといったデバイスに頼る場面が増えました。

 こういった背景のもとで、Web会議ツールを使うシーンが格段に増えました。PCであれば、Webカメラを高画質化したモデル、マイクの集音性能を上げたモデルや人の声が聞こえやすくなるようにスピーカーを調整するモデルが増えてきました。オンラインのコミュニケーションでは、顔をきれいに映すだけでなく、「音」がきれいに届くか、しっかりと聞こえるかどうかという点も大切ですしね。

Web会議を利用する機会が増えたことから、カメラに加えて「音」にこだわってノートPCを選ぶ傾向が出てきたという

春日井氏 もう1つの大きな変化は作業する場所です。これまでのビジネスシーンでは、会社に行くとデスクがあって、そこにデスクトップPCなりノートPCなりがあって、座って仕事をするというスタイルがほとんどだったと思います。

 しかし、在宅勤務を余儀なくされ、自宅で仕事をする機会が増えました。これまでは職場でしていた作業を自宅でするようになったわけです。テレワークでは会社という「場所」から解放されます。「ニューノーマル」の時代は、カフェやコワーキングスペースで働くことも視野に入ってくるでしょう。注目されているワーケーションやデュアルライフは作業をする場所を選ばないことが前提です。

 そのため、従来はデスクトップPCを選んでいたお客さまが「携行性」に優れるノートPCを選ぶ傾向がますます強まっているように感じます。持ち運びという観点では「頑丈さ」も検討材料の1つに加わるようになりました。

Windows 11を搭載する搭載ノートPCは、さまざまなメーカーからリリースされている

「PCのリプレース」と「OSのアップグレード」 どちらがいい?

―― Windows 11のリリースを機に、従業員のPCについて見直すシステム担当者も少ないと思います。ただ、PCをリプレースする場合はそれなりにコストが掛かるので「新しいPCでリプレースすべきか、既存のPCのOSをバージョンアップして対応すべきか……」と悩む声も聞こえてきます。これについて、何かアドバイスできることはありますか。

春日井氏 これは、企業や団体(のシステム担当者)が考えている「PCのライフサイクル」にも関わってくるので、一律の答えを出すのは少し難しい面もあります。1年前に導入したPCならアップグレードしても問題なく動作しますし、コストも抑えられます。一方で、4年前に導入したPCなら買い換えを積極的に検討してほしいと思います。

 マイクロソフトの調査によると、中堅中小企業のPCの買い替えサイクルは平均4.3年というデータが出ています。多くの企業や団体はおのおののサイクルに合わせて機材の調達や更新に関する予算を調達しているでしょうから、それに応じてアップグレードかリプレースかを選択すればいいと思います。ちなみにWindows 11では今から3〜4年前のPCならおおむねアップグレードできるようになっています。アップグレードできるかどうかは「PC正常性チェックアプリ」を使ってチェックすることをお勧めします。

 Windows 10から11へのアップグレードは無料です。アップグレードした後、10日間は、移行したファイルやデータを維持したままWindows 10に戻ることもできます。

使っているPCがWindows 11へのアップグレード要件を満たしているかどうかを確認できる「PC正常性チェックアプリ」

春日井氏 もしも「アップグレード」と「リプレース」の両方の選択肢を取れる場合は、従業員満足度を高める観点からリプレース、買い換えをお勧めします。それはPCは単純な「消耗品」ではないからです。計画に沿って購入して、減価償却で価値がなくなったらリプレースというように、オフィスの机と同じように捉えないでいただきたいと思っています。

 基本的に、PCは新しいほど良い製品となる傾向にあります。処理の速いPCは、ビジネスシーンにおける“戦闘力”を高めてくれます。数字には表れにくいですが、軽くて持ち運びやすいPC、カッコいいPC、性能の良いPCは使う人の気分を高めてくれます。仕事道具として付き合うPCには、そういう側面があってもいいと思うんです。

 PCに“積極的に”投資”することで、従業員の満足度は高まり、生産性が挙がり、結果的にその企業や団体全体の成長につながります。組織で使われているPCを見て就職や転職を決めるという人もいますよね。そういった動向に先んじて対応することも大切です。

ノートPCは単なる「消耗品」ではなく、会社の価値や従業員のパフォーマンスを高める「仕事道具」として捉えて選ぶべきであるノートPCを選ぶ上で注目すべきポイントは? Windows 11のメリットは?1|2|3次のページへ