レジストリをカスタマイズして、PCの環境を復活させてみる:PCUPdate特別企画:PC環境最適化計画(1/2 ページ)

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 Windowsや各種アプリケーションの設定を変更する場合、通常であれば「プロパティ」を使う。ただ、プロパティで設定できる範囲には限りがあり、プロパティに項目なり数値範囲としてあらかじめ用意されていないものは、自分で変えることができない。その点、レジストリではプロパティで変更できない部分も含めて、細部にいたるまで自由にカスタマイズできる。

 その一方で、レジストリを操作することには、リスクが伴うことも承知しておく必要がある。その理由は、WindowsというOS自体、数多くのプログラムが作用し合った複雑な構造であることと、どのPCでもWindowsの状態が全く同じであるとは言えないからだ。

 そのWindowsの各種設定が集約されているレジストリに手を加えることは、最悪の場合、Windowsの動作を不安定にする可能性もある。そのため、レジストリの操作はくれぐれも慎重に行うことを心がけたい。

 もし、レジストリの操作によってトラブルが生じた場合は、Windowsの起動時に「F8」キーを押し続け、「Windows拡張オプションメニュー」で「前回正常起動時の構成」を選択しよう。これで、レジストリを変更前の状態に戻すことができる。

まずはレジストリエディタを起動

 レジストリの操作には、Windowsに標準搭載されている「レジストリエディタ」を用いる。「スタート」→「ファイル名を指定して実行」をクリックし、「regedit」と入力して「OK」をクリックすれば、レジストリエディタが起動する。

レジストリをカスタマイズして、PCの環境を復活させてみる:PCUPdate特別企画:PC環境最適化計画(1/2 ページ)

「ファイル名を指定して実行」で「regedit」と入力すると、レジストリエディタを起動できる

■レジストリカスタマイズ例:その1

 アプリケーションによっては、アンインストールしてもレジストリに情報が残っている場合がある。「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE」内を調べ、アンインストール済みのアプリケーションに関するレジストリキーがあったら、右クリックして「削除」を選ぶと削除することができる。

「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE」の中に、アンインストール済みのアプリケーションのレジストリキーが残っている。これを右クリックし、「削除」を選ぶ

 不要なレジストリを削除するだけでなく、普段はハードディスク上の仮想メモリに常駐しているカーネルを、物理メモリに配置したり、L2キャッシュサイズの調整、メモリ上からの不要なファイルの排除といったことをしても、パフォーマンスは改善する。不要なレジストリを削除したら、こちらにもチャレンジしてみよう。

■レジストリカスタマイズ例:その2

 カーネルとは、OSの中核となるプログラムのこと。CPUの制御やメモリの管理など、PCの動作における根幹を担う部分だ。このカーネルの一部が仮想メモリ(ハードディスク)に置かれていると、PC全体のパフォーマンスを低下させる原因にもなる。PCに十分なメモリ(512Mバイト以上)が搭載されているなら、このカーネルを常にメモリ上に置くようにレジストリを変更すると、動作速度の向上が期待できる。

「HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management」の「DisablePagingExecutive」をダブルクリックDisablePagingExecutiveの「値のデータ」を「0」から「1」に変更する。「表記」は「16進」のままでよい

■レジストリカスタマイズ例:その3

 CPUにもキャッシュと呼ばれるメモリが搭載されている。WindowsXPではL2キャッシュ(L2キャッシュ)のサイズが256Kバイトに設定されているが、たとえばNorthwoodコアのPentium 4はL2キャッシュ512Kバイト、Prescottコアに至っては1Mバイトだし、Pentium Mも同様に1Mバイトもしくは2Mバイトなので、有効活用されていないことになる。WindowsXP側のL2キャッシュサイズの設定を正しく設定しなおすことで、処理速度をアップさせることができる。

「HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\SessionManager\Memory Management」の「SecondLevelDataCache」をダブルクリック「表記」を「10進」に変更した上で、「値のデータ」を「512」に変更する(デフォルトの「0」で、256Kバイトの設定となる)

 なお、CPUによってL2キャッシュサイズは異なるので、どのCPUを利用しているのかを調べたら、インテルのWebサイトでL2キャッシュの容量を調べて、その値を入力するようにしよう。

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