14型ながらクリエイティブに使える性能とsRGBカバー率99%液晶採用、11万円台と高コスパで外出先でも存分に作業できるノートPC「raytrek X4-T」

14型ながらクリエイティブに使える性能とsRGBカバー率99%液晶採用、11万円台と高コスパで外出先でも存分に作業できるノートPC「raytrek X4-T」

「raytrek X4-T」

 サードウェーブが展開しているクリエイター向けブランド「raytrek」から、14型ディスプレーを採用するモバイルノートパソコン「raytrek X4-T」が登場した。クリエイター向けを謳うだけあって基本構成はしっかり抑えられており、Core i7-1165G7、16GBメモリー、512GB SSDと、運用する上での必要十分なスペックは持っている。加えて、11万9980円とリーズナブルな価格になっているのも特徴だ。

 ホビーやビジネスといった一般的な使い方を想定したパソコンと、クリエイター向けパソコンの大きな違いは、実はマシン本体ではなくディスプレーにある。個人単位で完結するディスプレーは、自分だけが満足できるクオリティーで問題ないが、制作物を作るクリエイティブワーク向けのパソコンでは、自分以外の人も観るのが最終目的に含まれるので、正確な発色が可能な基準点を持っているディスプレーが必須といえる。

 クリエイター向けパソコンに必須なのは高色域なディスプレーで、高性能なGPUを必要とするゲーミングパソコンよりは難易度は低いが、需要はゲーミングパソコンよりも少ないために、どうしても割高感が出てしまうのが難点でもある。

 デスクトップパソコンなら高色域ディスプレーに接続して一定基準の処理能力を持っていれば、立派なクリエイター向けパソコンになるが、ノートパソコンのディスプレーは取替がきかないので、最初の機種選択はかなり重要になってくる。

 もちろん別途高色域ディスプレーを接続すれば解決するが、ノートパソコンの利点は場所を選ばず作業ができることなので、外出先でも正確な色で確認できるというのが、クリエイター向けノートパソコンの最重要項目だ。

左右辺およそ5mm、上辺およそ7mmと狭額縁で、14型だが少し前の13型ノート程度の大きさに収まっている。高色域なディスプレーも魅力

 もちろん、raytrek X4-Tにはクリエイティブワークには欠かせない高色域ディスプレーを採用。sRGBカバー率は99%あり、出先でも問題なく色のチェックが可能だ。また表面はノングレア処理されているので、屋外など周りが明るい状況でも画面反射が少なく視認性が高いことも、作業効率の高さにつながる。今回はOSにWindows11を採用する「raytrek X4-T Black Windows 11 搭載」を借りることができたので、レポートしよう。

 まずは外観をチェックしていこう。raytrek X4-Tの見ためはシンプルで、クリエイター向けながらいたって普通のスリムノートパソコンだ。天板には3方向のヘアライン処理が組み合わさって施されている。これにより、光の当たり加減によってヘアラインの見え方が変わったり、真っ黒に見えたりと、派手ではないもののただの天板ではないという自己主張も感じられ、これがデザインのアクセントになっている。

凹凸が少なくシンプルなデザインは好印象だ。側面はダイヤモンドエッジが施されていて高い質感になっている。

特徴的なのが天板で3方向のヘアライン処理が入っている。ヘアラインの反射は控えめだがアクセントになっていて、高級感を感じる

 14型ながらクリエイティブに使える性能とsRGBカバー率99%液晶採用、11万円台と高コスパで外出先でも存分に作業できるノートPC「raytrek X4-T」

 サイズはおよそ幅323.5×奥行き219.5×高さ18.9mmと、持ち運びしやすい大きさ。薄いので、バッグの隙間にも入れやすい。重量は約1.5Kgと軽く、ほかの荷物と一緒に持ち運んでも苦にならず、私のようにノートパソコン以外にも撮影機材といった多くの荷物を持ち運ぶ人には、かなり魅力的だ。

およそ18.9mmと薄い

背面には排気口があり、インターフェースは左右に振り分けられている

 先述したとおり、天板は特徴的だが外観は至って普通のスリムノートパソコン。インターフェースの数は、けっして多くはないものの、必要十分な数は揃っており、左右に振り分けられているので、ケーブルマネージメントは楽に行なえる。

左からHDMI、USB 3.2 Gen2、Thunderbolt 4(USB Type-C)、カメラスイッチが並ぶ。オンラインでの打ち合わせも増えたので、カメラのスイッチが設けられているのはうれしい仕様だ

左からMicroSDカードスロット、ヘッドフォン出力/マイク入力、USB 2.0、USB 3.1 Gen1、ケンジントンロックが並ぶ

底面は大きくスリットが開いており、手前側の左右にスピーカーが見える

 電源はUSB PDに対応しているThunderbolt 4端子で行なうが、Thunderbolt 4端子は2基あるため、電源接続時でももう1つ利用可能なのはうれしい。有線LAN端子はないが、サイズとの兼ね合いを考えれば致し方ないといえる。

 運用時には、USB Type-C接続のポートリプリケーターを利用して、有線LANだけでなく外部ディスプレーやバックアップに利用できる外付けストレージなどを繋げておくと便利だろう。なお、USB Type-A端子は3基あるが、それぞれで規格が違うので接続する場合には注意が必要だ。

 キーボードは、ファンクションキと十字キーが縦に狭いが、それ以外は通常の大きさで操作感はいい。配列に特殊な箇所はなく、キーの過不足もない。打ち具合は適度な重さがあり、入力されるポイントをつかみやすい。かつタイプ音は静かな部類に入るので、カフェや図書館といった静かな場所での作業でも、周りを気にせずに行なえるだろう。

 14型ノートパソコンで約1.5Kgと、カメラマンをしている私のようにノートパソコンだけでなくほかにも持ち歩く機材の多い人には、かなりサイズ・重量ともに重宝するノートパソコンといえる。

 ディスクリートGPUは搭載していないが、CPUは評判のいい「Core i7-1165G7」を搭載しているので期待値は大きく、raytrekシリーズはクリエイター向けパソコンとなっているが、それほど価格設定が高いということもなく、むしろ割安感がある。移動の多いプロカメラマンはもちろん、趣味でこれから写真編集などを始めたい人でも、高色域ディスプレーで本格的に作業できる1台としてオススメできる。次回は、raytrek X4-Tの実力のチェックを行なってみようと思う。

raytrek X4-Tの主なスペック
CPUCore i7-1165G7(4コア/8スレッド、最大4.7GHz)
グラフィックスインテル Iris Xe グラフィックス
メモリー16GB
ストレージ512GB SSD(NVMe対応)
ディスプレー14型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約99%(sRGB比約100%) / AdobeRGBカバー率約74%(AdobeRGB比約74%)
内蔵ドライブ
通信規格無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェースThunderbolt 4端子×2(USB PD対応、DisplayPort Alt Mode 映像出力対応)、USB 3.2 Gen2、USB 3.1 Gen1、USB 2.0、マイク入力/ヘッドフォン出力、HDMI出力
内蔵カメラHD画質Webカメラ
サイズ/重量およそ幅323.5×奥行219.5×高さ18.9mm/約1.5kg
OSWindows 11 Home(64bit)