Android 12は何がどう進化したのか。最新モデルとアップデートモデルで検証
Googleは「Google Pixel 6」と「Google Pixel 6 Pro」のリリースにあわせて、同社製のスマートフォン「Pixel」シリーズ向けに、最新OS「Android 12」の配信を開始しました。対象となるのは「Pixel 3」以降の機種。初代の「Pixel」や「Pixel 2」は日本未発売なので、日本で発売された「Pixel」シリーズはすべてアップデートの対象になります。最新の「Google Pixel 6」と、アップデートした「Pixel 5」を使って「Android 12」の新機能をチェックしました。
壁紙にあわせてカラーコーディネート。クイック設定はタイル式に
「Android 12」で最も大きく変わったのが、UIのデザインです。壁紙からやアイコン、ウィジェット、クイック設定メニューのタイルなど、ホーム画面上で目に入る様々なパーツの色やデザインを統一できる、「Material You」という新機能が追加されました。壁紙を選ぶとその壁紙にあわせてカラーパレットが自動生成されます。生成されたカラーパレット、または好きなベースカラーを選択すると、一部機能の背景や通知、設定ボタン、キーボードまで、UI全体をトーンを好みに合わせて変更することができます。
「設定」→「壁紙とスタイル」でカラーを選ぶと、ベースとなる色が変更されるしくみ。また「テーマアイコン」(ベータ版)をオンにすると、ホーム画面に配置した一部アプリのアイコンも同色のシンプルなデザインに変更されます。ただし対応するのは今のところ、電話、メッセージ、Google Play、ブラウザ、カメラなど、Android標準の一部アプリだけのようです。
画面上からプルダウンできるクイック設定パネルも、アイコンが並ぶ形式からタイル形式にリニューアルされています。このタイルの色もベースカラーにあわせて変化します。何がオンになっているのかがよりわかりやすくなったほか、各タイルの設定もシンプルで使いやすくなっています。
なお、「Material You」のベースカラーが反映されるウィジェットは、「時計」やGoogleアプリの「天気情報」などまだ限定的ですが、今後アップデートされて数が増える予定とのことです。
位置情報をあいまいにできるなど、プライバシー機能を強化
「Android 12」ではプライバシーの機能も強化されています。アプリがカメラやマイクを使っているときには、それとわかるインジケーターがステータスバーに表示されるようになりました、たとえばGoogleアシスタントを起動すると、画面右上にマイクが使用されていることを示す緑色のマークが表示されます。マイクやカメラはクイック設定パネルに新たに設けられたタイルから、いつでもオフにすることが可能。また位置情報も正確な場所とだいたいの場所、2種類の位置情報をアプリごとに選んで設定できるようになりました。
最近、どのアプリがどんな情報を利用したかといった情報も、「設定」→「プライバシー」→「プライバシーダッシュボード」で簡単にチェックできるようになりました。
スクロール保存できるスクリーンショットなどかゆいところに手が届く変更も
SNSのタイムラインやニュースアプリなどの画面のスクリーンショットを撮る際、保存する範囲を指定できるようになりました。画面に表示されていない部分までスクロールしてまるっと保存することができます。ただしスクロールが長い場合は全部を保存できるわけではなく、筆者が試した限りではだいたい画面の4倍ほどまでのようです。
またアクセシビリティも強化されています。「設定」→「ユーザー補助」→「拡大」で「拡大ショートカット」をオンにすると、必要なときに画面全体を拡大できるだけでなく、拡大鏡のように画面の一部だけを拡大して見られるようになりました。また明るさを最小にしてもまだ画面が明るい場合は、「ユーザー補助」→「さらに輝度を下げる」をオンにすることで、文字がグレー表示なるなど、画面をもっと暗くできます。
このほか、ゲームアプリをダウンロードする際、すべてのデータがダウンロードされるのを待たなくてもゲームがプレイできる機能や、機種変更の際にiPhoneを含む旧機種と直接、ケーブルやWi-Fiでつないでデータをコピーできる機能なども追加されています。
Pixelシリーズ限定や、「Pixel 6」や「Pixel 6 Pro」のみの限定機能も
「Android 12」は今後、他メーカー製のスマートフォンにも順次提供されますが、以下はPixelシリーズ限定だと思われるアップデートです。
ホーム画面にある検索窓とドロワー画面の検索窓、以前は同じものでしたが「Android 12」ではその役割が違っていて、ドロワーの検索窓ではスマートフォンの中にある情報だけを横断的に検索できるようになりました。
また「設定」→「バッテリー」で、電池の劣化を防ぐために夜間にゆっくりと充電する、「アダプティブ充電」を設定できるようになっています。
なお、メッセンジャーやSNS、動画につけられる自動字幕の「リアルタイム翻訳」は、「Pixel 6」や「Pixel 6 Pro」のみの機能で、アップデートした「Pixel 5」では利用できません。また音声レコーダーの自動文字起こしの日本語対応も、残念ながら「Pixel 5」では非対応となっています。