ASCIIグルメ 地酒329円~ コスパ寿司居酒屋「杉玉」で今だけ「とろカツオ」発売中
関東、関西、九州にじわりと店舗数を伸ばす「鮨酒肴 杉玉」をご存じでしょうか? 店頭に酒蔵などで伝統的に飾られる“杉玉”を吊るしているのが目印。実は回転寿司の「スシロー」と同じグループの居酒屋で、調達力を活かして質の良い海鮮をコスパよく提供できるのが強み。
寿司居酒屋「杉玉」関東、関西、九州に50店舗近くを展開
寿司、海鮮をはじめとした肴でお酒を楽しめます。寿司は基本的に一皿329円、刺身や創作一品料理も329円からとお手頃。飲みの用途だけではなく、夕食としてファミリー連れのお客さんも多いとか。なお、昼はランチを実施。今のご時世らしくテイクアウトメニューも多く用意していますよ。
この時期だけの絶品ネタ。その名も「とろカツオ」
「とろカツオにぎり」(329円)
今回お目当ては1月14日から発売中の「とろカツオ」。マグロのトロはよく聞くけれどもカツオのトロって? カツオは冬の時期は脂のりがよく、 特に皮目に近い部分は脂がつきやすく、ものによっては白い脂が見えるほど。スシローではそのように特に脂がのりがいいカツオを「とろカツオ」として提供。今の時期しか食べられない自慢の逸品。
白い部分が、脂のりがいい“とろ”の部分。見てわかりますね。
マメ知識として、脂のりがいいカツオをどうやって見抜くか教えてもらいました。スシローで扱うカツオは通常、沖で獲れてすぐ冷凍したもの。脂の部分は性質上凍らせても柔らかさが残るため、刃で刺すことで脂のりを確かめるそうです。つまり、刃がたっぷり入ったら脂のりがいいということ。これを「出刃選別」というそうです。専門用語ですね。覚えておくとどこかで披露してドヤってできるかもしれません。
ちなみに毎年のように脂がのったカツオが入荷できるわけではなく、昨年に関してはバイヤーの眼鏡に叶うものが入荷できなかったため、とろカツオは大々的には販売されませんでした。今年は2年ぶりです。
杉玉の寿司はシャリが褐色
ところで杉玉のシャリは褐色に色づいています。これは、黒酢と粘り気のあるバルサミコをブレンドしたオリジナルの酢を使用しているため。バルサミコ酢の酸味が特徴で、杉玉は創作寿司が多いため、 ネタとのバランスが取りやすいようにオリジナルのブレンドにしたそう。見た目的にも特別感があります。
とろカツオはクチに含むと脂の甘さが広がって、 マグロの中トロを彷彿させるトロトロ具合。 ふだんのカツオの力強い赤身イメージとはまた違った印象です。脂でクチの中がまろやかになるので、生姜とネギがいいアクセント。
日本酒「杉玉 純米酒」半合329円
あわせるのは、人気の日本酒「杉玉」。青森、桃川が醸すお酒で、店名と同じ銘柄であることから入荷したそう。米のコクがきいた深い味わいで肴とあわせるのにぴったり。桃川は私の母の生まれ故郷の酒蔵で、昔から良いことがあったら桃川でお祝いしていたと聞いていました。東京ではあまり多くは見かけない酒蔵なので出会えたことにびっくり。
杉玉では常時16種以上の地酒を用意。半合329円から。半合は小さ目のグラス1杯の量ですね。気軽な価格で飲めるので地酒を飲み比べしてみるのも。
もちろん、好みのお酒を選べます
とろかつおは他にも、店内で作ったソースと合わせたカルパッチ仕立てや刺身の盛り合わせも用意。 冬だけにしか食べられない特別なネタなのでこの機会に日本酒と合わせていただいてみてはどうでしょうか。
「とろカツオのカルパッチョにぎり」(329円)
「とろカツオ入り刺身盛り」(879円)
「とろカツオのカルパッチョ」(439円)
巻物の上にとろろ!? 驚きの「溢れ寿司」
「溢れ寿司 中とろ」(659円)
また、ユニークな新メニューも用意。一口サイズに切ったきゅうり巻の上に、ネタ、出汁入りとろろを合わせたとろろをフィルムで包んで提供する「溢れ(あふれ)寿司」も販売が同じく14日からスタート。
かっぱ巻きを並べて土台にして、カップを重ねて……。見た目がまるでブロックを重ねて作った砦の要塞のようではないですか。
フィルムをとると、とろろがとろ~り。わっ、あっけなく砦が崩壊するとは。
フィルムをとると、とろろがあふれ出します
食感が印象的
「溢れ寿司」は2種。こちらは「溢れ寿司 中とろ」は、中とろに、とびこ、出汁入りとろろ、そしていくらをトッピング。どうやって作るか気になるので聞いてみたら、注文が入ってからきゅうり巻を並べてその上にフィルムをセットし、丹念にネタを重ね、とろろを流し込んで作るとのこと。つまり土台のきゅうり巻にすきまが空いてたらとろろがこぼれてしまうおそれもあるんです。気を張り詰めて作るんですね……。
とろろはしっかり味が付いているため醬油いらず。刺身や巻物にとろろが絡んでまろやかにしてくれます。きゅうり巻のポリポリした歯ごたえ、とびこのプチプチ食感でお酒が進みます。フォトジェニックな見た目とはうらはらにおつまみとしての完成度が高い!
「溢れ寿司 うな玉」(659円)
もう一種は「溢れ寿司 うな玉」。同じくきゅうり巻、出汁入りとろろに、うなぎ、玉子が入っています。仕上げにはあおさをパラリ。あおさの香りが香ばしく、うなぎ、たまごの優しい味わいにとろろが絡んでさらにまろやか。意外なほどに一体感がある一皿。甘めの具材なので、おつまみとしてというより軽食としてほしくなりました。お子さんには間違いなく好まれそう。
「一白水成 特別純米」半合329円
あわせるお酒は秋田の福禄寿酒造「一白水成 特別純米」。一白水成は日本酒好きにファンが多い銘柄。スーパーなどにはなかなか出回らず、専門的な酒屋や地酒専門店で扱っています。
梨などフルーツを思わせる芳醇な香りで後味は雪のようにサラリと流れて美しい。辛口のお酒ですので濃い味付けのおつまみにも合わせやすいですよ。
杉玉は「遊び心」をテーマに、見た目のおもしろさにもこだわった商品開発を進めています。値段的にお手軽というメリットはもちろんですが、斬新なメニューは日頃の憂きを忘れさせてくれるはず。お近くに店舗があれば感染症対策に気をつけながら活用してみては。テイクアウトもやっていますよ。
店内にはいたるところに「杉玉」が掲げられています。杉玉は酒蔵や酒店で飾られ、伝統的には新酒の時期(2月~3月)にかけられ、茶色く色づいてきたらお酒が熟成したことを示すと言います
店内の内装にも注目。ダイナミックなイラストは店舗ごとに異なります
「寿司よりも人が大事だ」。うん、そうですよね。店舗名も書かれていますね
※記事中の価格は税込
ナベコ
酒好きライター、編集者。酒活動しています。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に参戦するなど。ホットカーペットが気持ちよすぎて床で寝おちして朝陽で気が付く日々。せっかく年始におろしたパジャマを着ないと……。♪アスキーグルメでおいしい情報配信中♪