Microsoft、「PowerShell 7.2」を一般公開 ~Microsoft Update経由の自動更新に対応

Microsoft、「PowerShell 7.2」を一般公開 ~Microsoft Update経由の自動更新に対応

 米Microsoftは11月8日(日本時間)、スクリプティング環境「PowerShell」の最新バージョン「PowerShell 7.2」を一般公開した。「.NET 6.0」をベースとしており、パフォーマンスの向上とAPIの拡充が図られている。

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 「PowerShell 7.2」は「.NET 6.0」と同様、3年間のサポートが付いたLTS(長期サポート)。「PowerShell」は年1回のペースでマイナーバージョンを変更する比較的大規模なアップデートが実施されているが、偶数のマイナーバージョンがLTSとなっている。通常の1年よりも長くサポートされるので、同じバージョンを使い続けたい場合はLTSの利用をお勧めする。

Microsoft、「PowerShell 7.2」を一般公開 ~Microsoft Update経由の自動更新に対応

 機能面での目玉は、「Microsoft Update」経由でアップデートできるようになったことだ。Windows版「PowerShell」にはMSIパッケージをインストールする方法と「Microsoft Store」からインストールする方法の2つが用意されている(ZIP形式での配布もあり)が、前者の場合は「Microsoft Update」で自動アップデートされるように設定される。

「Microsoft Update」経由で自動アップデートされる「PowerShell 7.2」(プレビュー版)「Microsoft Update」を有効化しておく必要がある

 後者の場合も「PowerShell」は自動更新されるため、基本的にはどちらを利用しても変わりはない。しかし「Windows Server」では「Microsoft Store」がサポートされておらず、MSIパッケージしか選択できない。そのため、MSIパッケージで「Microsoft Update」による自動更新が利用できるようになったのはIT管理者にとってはメリットといえる。

 ちなみに、「Microsoft Store」では安定版とプレビュー版が選択可能で、同じ環境で共存させることもできる。最新の機能を積極的に試したい場合は、「Microsoft Store」の利用がお勧めだ。

「Microsoft Store」からもインストール可能

 そのほかにもANSIエスケープシーケンスがサポートされ、対応ターミナルやシェルでテキスト装飾が利用できるようになった。「$PSStyle」でスクリプトやコマンドレットに簡単に装飾を追加することもできる。

 また、PowerShell構文の強調表示、複数行の編集、バックサーチなどの機能を実現する「PSReadLine」がv2.1へとアップデートされ、予測インテリセンス(Predictive Intellisense)がサポートされた。似たような入力の繰り返しを検知すると、「PSReadLine 2.1」は履歴から次の入力内容を予測し、それを入力候補として提示する。

 「PowerShell 7.2」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、ARM64版Windows、Apple M1搭載のMacデバイス、Debian/UbuntuのARM32/ARM64でも利用可能。オープンソースで開発されており、ライセンスは「MIT License」。ソースコードやバイナリは「GitHub」のプロジェクトページから入手できる。