オシャレなデザインでしかも初心者でも使いやすい、LEDモバイルプロジェクター「GV30」レビュー

オシャレなデザインでしかも初心者でも使いやすい、LEDモバイルプロジェクター「GV30」レビュー

BENQから登場した「2.1チャンネルBluetoothスピーカー搭載 LED モバイルプロジェクター GV30」(以下、GV30)は、付属の台座に乗せることで、丸い本体をスライドさせながら映像投写の位置を自由に変えられる、ユニークな製品です。

また、オートフォーカスと自動垂直台形補正機能も搭載し、難しい調整をすることなく、好きな場所に映像を投写して楽しめます。加えて、解像度が720pあるうえに、色再現に優れた独自技術「BenQ CinematicColor」なども採用されており、映像の品質にも抜かりはありません。販売価格は、で7万505円(税込)です。

モバイルプロジェクターは言葉の通り、持ち運びできるプロジェクター。コンパクトで設置面積が小さく済むことから、大型テレビを置くスペースのない人や、モノを減らしたいミニマリストにとっては人気のガジェットです。いっぽうで、一般的なモバイルプロジェクターだと、投影する壁を決めて、それに合わせてラックに乗せるなど、設置場所を細かく決める必要があるため、導入に躊躇する人もいるでしょう。

GV30は、そうしたモバイルプロジェクターの難しさを解消してくれる製品に見えます。では、実際はどうなのか、試してみました。

本体は白を基調としたデザインで、黄色いレザーストラップがオシャレ

まずは外観から見ていきましょう。本体サイズは幅120×奥行き185×高さ196mm、重量は約1.6kg。モバイルプロジェクターとして十分にコンパクトなほか、持ち運びが苦にならない重さです。

衝撃耐性も高く、本体を0.7mの高さから落下させても耐え得る性能を持っているので、持ち運び時に安心です。

モバイルプロジェクターならではの使い方として、キャンプなどに持っていくシーンがあると思いますが、その際は専用ケースが役に立ちます。ケースはキャンバス布のような素材で、グレーとイエローのコンビカラーがオシャレ。しかもハンドル付きで持ちやすいです。

内部は本体、付属品、台座の形状に合わせてくりぬかれているので、しっかりとハマり、少しの衝撃ではびくともしません。

次に本体のデザインを見ていきましょう。ボディは全体的に白を基調としたカラーリングで、本体に付いている黄色いレザーストラップがアクセントになっています。

これまでのモバイルプロジェクターにはあまり見られないレザーストラップの採用により、ガジェット感が抑えられており、マニアだけでなく、万人受けしやすいデザインに仕立てられています。部屋のインテリアとしてもなじんでくれるでしょう。個人的にも気に入っています。

リモコンは、白と黒を基調としたデザインです。ボタンの多くはイラストで表記されており、わかりやすく、メニューの中に組み込まれている台形補正やフォーカスボタンも露出されているので、初心者でも操作に迷うことはないでしょう。

リモコン上部には小さな穴が2つあります。ここにはマイクが内蔵されており、音声入力ができます。感度が良いので、ビデオコンテンツのタイトルを検索するときに重宝します。

角度調整は台座の上でスライドさせるだけ、フォーカスと台形補正は自動

GV30は初期設定の簡単さも製品の見どころです。初めにAndroid TVハードウェアキー(QS01)を本体にセットし、台座に乗せて電源ボタンを押し、Android TVの設定をすれば完了。冒頭でも伝えましたが、フォーカスと台形補正は自動で設定してくれます。

オシャレなデザインでしかも初心者でも使いやすい、LEDモバイルプロジェクター「GV30」レビュー

投写については、ある程度暗い壁や天井ならどこでも可能。GV30は台座に乗せた状態で調整できる角度は135度ですが、台座の上で本体を自由にスライドできるので、正面から天井まで好きな位置で投写できます。

例えば座って視聴から寝っ転がって視聴に体勢を変えても、角度の調整は台座の上でスライドするだけと簡単で、フォーカスも台形補正も自動だからラクチンです。面倒な三脚の組み立てや手動のフォーカス設定で位置関係を調整する手間は必要ありません。初心者でも使いやすいでしょう。

プロジェクターメニューは「画像とサウンド」「全般」の2つに分かれています。「画像とサウンド」では輝度、画像モード、サウンドモードといった調整ができます。「全般」では画像、インストール、フォーカス、電源モード、システムといった設定が可能です。

使い始めは特に設定する必要はありませんが、慣れてくるとつい設定したくなるもの。そんなときでも十分満足できるほど、細かく調整できます。これまでプロジェクターを使ってきた人も楽しめそうです。

GV30本体で視聴できるビデオコンテンツは「Amazon Prime Video」、「ABEMA」、「GYAO!」などがありました。一部対応していないビデオコンテンツは、別売りの「Fire TV Stick」を接続するか、タブレットやPCなどのミラーリング機能を使います。筆者はDMM.comをiPadでミラーリングして視聴してみましたが、特に遅延感なく楽しめました。

文字はクッキリハッキリ、動画は色鮮やか。内蔵スピーカーも高音質

プロジェクターとして肝心の、画質と音質も見ていきましょう。

まずは天井に投写しながら画像と動画を見始めました。筆者の文章を画像化して投写したところ、文字の一つ一つがしっかりと認識でき、クッキリと表現。投写した天井の表面は凹凸があり、読みづらいのではと心配したのですが、高い解像度で文章が読めることには驚きました。

GV30はエンタメ用途がメインですが、これならパワポなどの文字資料を投写させることもできるので、ビジネス用途にも使えそうです。

次にYouTubeで4K著作権フリー動画を視聴。GV30の光源がLEDということもあり、動画のレスポンスが良く、ブレが少なく感じました。

また、制作者が意図した色を実現する独自技術「Cinematic Color」の採用や、テレビ向けのカラーマネジメント規格「Rec.709」の色域を最大97%カバーしていることなどにより、鮮やかな色合いを実現し、リアリティある映像美を楽しめました。

最後にスピーカーをチェック。GV30はBluetooth接続に対応した2.1チャンネルスピーカーが搭載されています。スピーカーの構成としては、4Wスピーカー×2基と8Wのウーファーです。

映画で爆発音を聞いてみると、内蔵スピーカーとは思えない迫力ある低域から、中高域に向かって爆風音が部屋中に広がり、最後の静けさまでキチンと表現されました。

また、手持ちのiPhoneをBluetooth接続してポップスを聴いてみたところ、低域から高域にかけてワイドレンジにつながっていることにより、ボーカルの存在感が引き立つのと同時に、バックバンドのスケール感を味わうことができました。

なお、Bluetooth接続で音楽を聴くときはプロジェクター機能が使用できないため、純粋なスピーカーになります。

設置場所を選ばないのは魅力、機能性も十分

GV30はモバイルプロジェクターらしからぬデザインを採用することで、一般的なプロジェクターで躊躇しがちな設置場所の問題を見事にクリアしてくれました。これからプロジェクターを使い始めたいという初心者でも難なく扱えるでしょう。

それでいて画質は独自技術などにより、鮮やかな映像を楽しめる性能をそなえています。さらに、細かな設定で画音を追い込むことも可能。プロジェクターの機能に不満を持つことはまずないでしょう。

プロジェクターを使うならまずはこれ、とおすすめできる1台です。

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