Mastodon(マストドン)の基礎を解説、Twitterとどう違う?インスタンスの仕組みとは |ビジネス+IT

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  • Mastodon(マストドン)の基礎を解説、Twitterとどう違う?インスタンスの仕組みとは

    今、ブームになりつつある「Mastodon(マストドン)」。一言でいうとTwitterの類似サービスなのだが、特定の企業が運営するソーシャルネットワークサービス(SNS)とは異なり、個別にサーバを立ち上げることで成り立つ分散型のSNSと言われる。本稿ではマストドンの始め方/使い方とその仕組みを解説するとともに、Mastodonの向かう先について考えてみたい。

    フリーライター/エディター 大内孝子

    フリーライター/エディター 大内孝子

    主に技術系の書籍を中心に企画・編集に携わる。2013年よりフリーランスで活動をはじめる。IT関連の技術・トピックから、デバイス、ツールキット、デジタルファブまで幅広く執筆活動を行う。makezine.jpにてハードウェアスタートアップ関連のインタビューを、livedoorニュースにてニュースコラムを好評連載中。CodeIQ MAGAZINEにも寄稿。著書に『ハッカソンの作り方』(BNN新社)、共編著に『オウンドメディアのつくりかた』(BNN新社)および『エンジニアのためのデザイン思考入門』(翔泳社)がある。

    <目次>
    1. Mastodonとはいったい何か?
    2. Mastodonの始め方、どうやって使えばよいのか?
    3. Mastodonの仕組みとは?分散ネットワークの実装方法
    4. Mastodonブームの背景にあるもの、企業活用も一部で開始
    5. Mastodonを取り巻く課題とは
     Mastodonとは、ドイツに住む24歳のEugen Rochko氏が開発したもので、Twitterのようなミニブログサービスだ。 ツイッターとの違いは、1つの投稿の文字数制限が500文字で長いこと、そして投稿のことを「Toot(トゥート:笛を吹くの意)」といい、Twitterでいうリツイートに相当するものを「Boost(ブースト)」ということ。他のユーザーをフォローしたり、フォローされたり、お気に入りの登録であったりはほぼTwitterと同じである。 Mastodon最大の特徴は、(1)プログラム自体がオープンソースソフトウェアでGitHubに公開されており、誰でもインスタンスを立ち上げることができること、(2)分散型、つまり特定の企業のサービスとしてではなく、各インスタンスが連携して成り立っていることが挙げられる。 インスタンスとは、Mastodonを動作させるためのサーバのこと。Mastodon instancesによると、記事執筆時点では1770のインスタンスがあり、トータルで62万ユーザーがいるという。なお、ツイッターは国内MAUが4000万人なのでマストドンはまだまだこれからと言える。 インスタンスは相互に連携しあっており、他のインスタンスに所属するユーザーであっても、基本的にはフォローすることができる(基本的には、と記載した理由は後述)。 「習うより慣れろ」ということで、まずは代表的なインスタンスであるmstdn.jpを例に、アカウントの登録方法からログイン後のメインページを元に、その基本的な機能を見ておこう。 所定の項目に必要事項を入力し「参加する」をクリックすると、登録したメールアドレス宛に確認メールが届く。メール本文に含まれる「Confirm my account」リンクにアクセスすれば、アカウント登録は完了する。 というわけで、さっそくMastodonの画面だが、Twitterと大きく異るのがここで、画面は4つのカラムに分割されている。 左端が自分の表示(Twitterでいうプロフィール)となる。また、ここから500文字まで投稿できる。ハッシュタグ(#+文字)の使い方などもTwitterと同様だ。 投稿には、「公開(Public)」「未収載(Unlisted)」「非公開(Private)」「ダイレクト(Direct)」という4種類の投稿範囲が用意されている。投稿範囲の指定によって、フォロワーのタイムライン、ローカルタイムライン(詳細後述)、連合タイムラインなどへの表示の有無が異なるが、最初のうちはあまり意識しないでいいだろう。 また、投稿時に「CW(Contents Warning)」というものを付加することができる。これはブログのエントリーなどにもある「続きを読む」の機能で、中身を畳み込む機能に近い。内容に注意という警告となる。ドラマのネタバレ、スポーツの試合の勝ち負け、あるいは、長文になる場合の心遣い的な使い方が想定されている。 同様に「NSFW(Not Safe For Work:閲覧注意)」は画像をアップする際に付加できる。これは画像を指定すると現れる。 プロフィールやトゥートを行うカラムの右が「ホーム」だ。ここでは自アカウントおよびフォローしているアカウントのアクティビティ(トゥート、ブースト)が流れる。さらにその右の「通知」では、新しいフォロワーやブースト、お気に入りされた通知、トゥートへの返信が表示される(表示/非表示はカラム右上のアイコンから設定できる)。 そして、右端のカラムでは「ローカルタイムライン」「連合タイムライン」などを切り換えて表示できる。「ローカルタイムライン」は自分がアカウントを取得したインスタンスのユーザー全員のトゥート(公開設定のもの)が表示される。たとえば、「マンガ好き」向けインスタンスが立ち上がっていれば、そのクラスターに属する人たちのツイートが一気に閲覧できることになる。 一方、「連合タイムライン」は、Mastodon特有のタイムラインだ。自分のいるインスタンスが“連合”している他のインスタンスのトゥート(公開設定のもの)が流れてくる。ここで流れるのは大きく3種類のトゥートだ。
    1. 自分のいるインスタンスにいるユーザー
    2. 1がフォローしている他インスタンスのユーザー
    3. 2がブーストしたその他のユーザー
     ちなみに、異なるインスタンスのアカウントであってもフォローすることもできる。「リモートフォロー」という機能で、フォロー時に「ユーザー名@所属インスタンス」を相手のインスタンスに送る必要がある。ただし、非公開設定のインスタンスのユーザーとはつながることができない。 前述の通り「誰でもインスタンスを立ち上げられる」ので、インスタンスの数はいま山のように増え続けている。日本に特定して紹介している記事も最近ではよく見かける。すでに、ジャンルや目的ごとに細分化されているという状況で、ここやここから興味のあるものを探してみてもよいだろう。 なお、現在、日本のインスタンスで規模が大きいものは、・mstdn.jp(運営:ぬるかる氏、ただしその後ドワンゴがぬるかる氏を雇用)・pawoo.net(運営:pixiv)・friends.nico(運営:ドワンゴ)といったところ。 この3つは、先に上げた「instances.mastodon.xyz/list」でも、ユーザー数でソートすると上位に表示されるインスタンスとなる。 このうち、pawoo.net、friends.nicoはモバイル用の専用アプリもリリースしている。それぞれが施しているカスタマイズ機能に対応したものだ。なお、通常のMastodonのモバイルアプリも数多く出ている。アプリではインスタンスの検索機能があるものも多いので、そちらが手早いかもしれない。 参加するには、自分のアカウント(メールアドレス)とパスワードをインスタンスの管理者に預けることになる。中には、不正にメールアドレスを収集するための悪意のサーバもあるとの見方もある。そのため、どのインスタンスに登録するにせよ、その点については留意しておくべきだろう。 Mastodonは先述の通り、ドイツのEugen Rochko氏らが進めるオープンソースプロジェクトで、分散型ミニブログのためのオープン基準「OStatus」(旧:OpenMicroblogging)準拠のマイクロブログツールの流れを汲むものだ。 2006年Twitterの正式サービスが始まり、その後しばらくの間、ちょっとしたミニブログブームがあった。当時もユーザー数では圧倒的であったTwitterも、今では想像できないくらいサーバ負荷で落ちていた。そのため、さまざまな企業がTwitterに代わるサービスとして、さまざまなサービスをローンチしていた。 そんな中、Twitterに取って代わるのではなく、一極集中にならないためにどうすればいいか、その形態や具体的な方法を考えようという人たちも現れ、そして登場したのが「identi.ca」(2007年)だ。 identi.caは、Laconica(OpenMicrobloggingの実装ソフトウェア)を使って、identi.caサーバ間、あるいは他のサービスとの間で投稿を購読できるようになっていた。その後、identi.caは2009年にstatus.netに統合され、同年ソフトウェア自体もLaconicaからStatusNetに改称。その後、フォークであるFree SocialともにGNU socialプロジェクトへ統合された。 GitHub上のMastodonプロジェクトページでは、GNU social互換であることが明記されている。分散化にOStatusを使っており、OStatusを構成するAtom、Activity Streams、PubSubHubbub、Salmon、Webfingerなどのオープンプロトコルによって、異なるインスタンス間におけるリアルタイム配信が可能になっている。 分散ネットワークというとP2P(Peer to Peer)ネットワークと思ってしまいがちだが、従来のP2P、たとえばWinnyやBitTorrentとはちょっと違う。非常にざっくり言ってしまうと、インスタンス間でAtomフィードを交換しているということになる。 仕組みとしては、Atomフィードを拡張してユーザー情報や投稿の属性などを必要な情報を持たせ、更新通知、フィードの購読を行い、取得したAtomフィードを必要なユーザーに配信するのである。【次ページ】Mastodonブームの背景にあるもの、企業活用も一部で開始

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