Amazon、車内でアレクサが使える「Echo Auto」製品発表会 - Car Watch
Amazonは9月30日、車内で音声サービス「Alexa(アレクサ)」を利用可能にする「Amazon Echo Auto」を発売。同日オンラインにて新製品発表会を開催した。価格は4980円。
Amazon Echo Autoは車内でアレクサを利用可能にするデバイス。カーオーディオなどと3.5mmのオーディオ出力やBluetoothによって接続し、手持ちのスマートフォンとペアリングをすることによって、スマホのAlexaアプリを車載スピーカーを使って楽しむことができる。また、本体には8つのマイクを搭載しており、エアコンの音やロードノイズなど、騒音の多い車内環境においても正確に音声を認識し、自然な会話による操作を可能とする。サービスの利用にはスマホの通信を使い、クルマへの取り付けは付属のエアベントマウントで簡易に装着できる。また、本体への給電はカーオーディオアクセサリーソケットかUSBポートから行なうことができる。
Amazon Echo Auto発表会では、アマゾンジャパン Alexaインターナショナル ゼネラルマネージャーである大木聡氏が登場し、まずはAmazon Echoのサービスについて紹介した。
アマゾンジャパン合同会社 Alexaインターナショナル ゼネラルマネージャー 大木聡氏大木氏は「Amazon Echoを理解していただくためには、SFテレビドラマ、映画である『スタートレック』をイメージしていただくのがベストだと思う。私たちはこのスタートレックをインスパイアしてAmazon Echoを開発した」と紹介した。
スタートレックの世界では、宇宙船のクルーは宇宙船エンタープライズのAIと自然言語を使って指示をしたりその応答を受け取ったりすることができ、さらにそれを船内のあらゆる場所で、自然な会話の中で行なうことができる。
Echoシリーズが目指すのはスタートレックの世界観こうした世界観こそが実現したいところだと言い、アレクサも自然言語を理解し、それに対する情報やサービスを提供する。ただしクラウドを使っている点が、劇中のAIロボットとはイメージが異なると紹介した。
大木氏は「もう1つ重要な技術構成要素がある。それはスタートレック同様に、製品が部屋のどのような場所に設置されていてもお客さまの声を正しく認識する技術が必要となる」と言う。
この点について、「多くの場合ハードウェアには複数のマイクが搭載されている。これはビームフォーミングという技術を実装するためだが、それ以外にそこに機械学習によるトレーニングをさらに実施して、近くの声ではなく遠くにある声を正しく認識できる機能を実装している」と、Echoシリーズの製品に搭載された技術を紹介した。
今回発売したEcho Autoについても8つのマイクアレイを搭載し、さらにEcho Autoが学習をしていくことで、ノイズの多い車内においても高い音声認識能力を実現しているという。
Echo Autoにも8つのマイクアレイを搭載。遠くにいる声も正確に認識する発表会では家庭用のEcho製品を使ったデモンストレーションに加え、ビジネスシーンや週末の家族ドライブのシーンにおけるEcho Autoの利用イメージの動画などを公開。アレクサが具体的な指示ではなく「おはよう」や「ただいま」といった言葉に反応する様子や、車内で音楽を楽しむシーン、スケジュール確認やハンズフリーでの電話、目的地の天気を調べたり、子供としりとりをして楽しんだりするシーンが紹介された。
Amazon Echo Auto ビジネス編(2分6秒)Amazon Echo Auto ファミリー編(2分5秒)EchoでできることEcho Autoがあれば車内でもアレクサを利用できるEcho Autoは2018年より米国において招待制による販売を開始。すでに車載器ならではの機能も搭載されているとのことだが、日本においてはそういった車載ならではの機能はまだ搭載されておらず、自宅で使っていたアレクサが車内でも使えるようになったというフェーズ。今後のニーズに応じて対応していき、最終的には世界共通で機能を持たせられるようにしたいと語る。
また、米国での販売においては、Bluetooth接続する車載のオーディオ機器の種類が多すぎて、うまく接続できないケースがあったという。現在は大部分が解消しているが、日本での発売後もしばらくはそういったことが発生するかもしれないとした。なお、AmazonのWebサイトにおいて、現在分かっている互換性のない車種が紹介されているので、購入前にご確認いただきたい。
大木氏はEcho Autoが特別な存在ということはないと言う。前述のスタートレックのように、アレクサが常にユーザーの近くに存在することを目指していると言い、家の中だけでなく車内という環境でもアレクサを使えるようにすることが軸だとした。
もちろん車内ならではの最適化は求められるが、それは車内に限った話ではなくあらゆる場所において最適化していくというスタンスであり、クルマもその中の1つだと言う。
大木氏が語るEchoで大切にしたいこと大木氏はコロナ禍において交通手段としてのクルマの在り方が変わってきているといい、エアベントマウントで簡易に装着できるEcho Autoはカーシェアやレンタカーへの導入も簡単だとの可能性を示した。また、Echo Autoに限らず日産自動車「アリア」など市販車の純正システムにEchoが搭載されるケースや、市販カーオーディオなどにも搭載されており、今後クルマの搭載するナビにアレクサが搭載されるケースも増えてくるかもしれないと展望を語った。
Echo Auto以外でもEchoは新車への搭載や市販カーオーディオなど、さまざまな形で搭載されているアマゾンで購入: