インバーター発電機おすすめ4選。停電対策からアウトドアで活躍するモデルまで
災害時への備え、キャンプの娯楽に。
最近の発電機は、ドライヤーを「弱」で使うよりも小さな音で稼働するものもあるんですって。というわけで今回は、Wirecutterが厳選した今おすすめの発電機を紹介します。
Amazonで安価に手に入るものも含めて吟味した結果、やはりメーカーの信頼性は大事とのこと。そのほか、一酸化炭素検知機能の有無など、いつもながらに厳しめの選考基準で厳選されたランキングとなっています!
もしも停電したら、懐中電灯やキャンドルを使ってしばらくは昔の人たちの生活を想像しながら穏やかに過ごせるかもしれません。それが束の間の停電ならまだしも、日が暮れてくると凍えるほど冷え込むことも。そんな状況を打開するのに必要なのが発電機です。
Wirecutterでは2020年から21年の秋冬にかけて、持ち出し用に最適と思われる4種類の発電機をテストしました。非常時にかぎらず、キャンプやバーベキュー、屋外での作業にも適しているものを厳選しました。
1位:パワフルで頼れる発電機「Honda EU2200i」
最も静かで軽く、パワフルな2,200Wの発電機。始動が簡単で、Bluetoothアプリで発電量の確認も可能。
2,200Wクラスの発電機4台をテストした結果、最も優れていることがわかったのは「Honda EU2200i」。他の発電機がオーバーロードする原因となった家電製品や工具も動かすことができました。
高品質で他社よりもはるかに大きなホンダ製エンジンを搭載。ガスエンジンは始動時が厄介ですが「EU2200i」はテストしたなかで唯一コードを引いただけですぐに始動したのも印象的でした。
さらに、Bluetooth接続でアプリを使えば出力を簡単にモニターできるので、嵐のなかでも自宅にいながら発電機の稼働状況を管理(最大化)することができます。これは比較的新しい機能で多くの発電機には搭載されていません。また、一酸化炭素検知器も搭載されていて、密閉された場所で稼働させて一酸化炭素の濃度が高まると発電機が停止するようになっています。
ホンダの発電機は業界ではゴールドスタンダードと呼ばれて高い評価を得ています。その一方で、難点としては「EU2200i」は通常1,000ドル(約10万9430円)以上と高価で、他のガス式発電機と比べても400ドル(約4万3770円)ほど高くなります。とはいえ、非常時の停電を乗り切るのに最適でアウトドアでコーヒーメーカーに電力を供給するのにも頼れる1台です。
2位:多機能で使いやすさ抜群な発電機「Ryobi RYi2322VNM」
Bluetoothによる直感的な接続や便利なユーザーインターフェースなど、ホンダ以外の製品と比べても遜色のない性能を備えています。
1位のホンダが高価すぎる場合やユーザーフレンドリーな機能を重視する場合に検討したいのが、「Ryobi RYi2322VNM」。リョービのエンジンはホンダよりも小さく堅牢性は弱まりますが、テストではホンダ以外の発電機と同等の性能を発揮しました。Bluetoothアプリはホンダのように電力使用量を記録するだけでなく、現時点での燃料残量や残り時間の目安も表示してくれてわかりやすいです。エコモード(燃費向上)の切り替えや、過負荷になった場合の再起動も可能です。キャスターと伸縮式のハンドルが付いているため移動も簡単です。
3位:ミニマルでコスパ高な発電機「DeWalt DXGNI2200」
主要な安全機能を装備。十分に働いてくれますが、性能・騒音面ではホンダに若干劣り、対応アプリもなし。
上位2つのどちらも手に入らないという場合におすすめできるのが「DeWalt DXGNI2200」です。他の製品と同様に一酸化炭素検知機能を装備していますが、アプリがないため管理しづらいのが難点です。デウォルトいわく「超静音」とのことですが、今回のテストで最も音が小さかったのはホンダの「EU2200i」でした。
4位:ガス要らずで便利な発電機「Ego Power+ Nexus Portable Power Station PST3042」
バッテリー駆動のため、ガスエンジンならではの手間や騒音を気にしなくて済みます。屋内でも使用可能。出力はガスエンジンに劣りませんが、駆動時間は短め。充電時間が数時間と長く、長期の停電時には実用的ではないかも。
「Ego Power+ Nexus Portable Power Station PST3042」は、ホンダの「EU2200i」と同等の出力を保持。メンテナンスの必要はほぼなく、騒音や排気もないため室内での使用が可能です。家やガレージでの作業のほか、庭での娯楽にも最適。1回の充電で丸ノコが1日中使用できるなど断続的な作業には優れている一方で、暖房具などを長時間使用するには電池の消耗が早く限界があります。フル充電には8時間かかります。
アプリは直感的に操作できるほか、ガスではなくバッテリーによる電力供給というシンプルさから使いやすさも抜群。短時間の停電が発生しやすい地域では便利な一方、バッテリーの残量には常に気を配る必要があります。すでにEgo社の芝刈り機などを使っている場合、バッテリー互換性のある「Power+ Nexus」はさらに魅力的なはずです。
Wirecutterが信頼できる理由
発電機について詳しく調査するためあらゆる専門家に話を聞きました。電力品質モニターの設計・製造を行なうPower MonitorsのChris Mullins社長は電力品質を評価するための細やかなポイント、特に全高調波歪み(THD)の概念や発電機との関係について教えてくれました。
さらにホンダの汎用エンジン・産業用製品担当シニア・マーケティング・ストラテジストのDavid Bush氏、ジェネラックのグローバルサービス担当ディレクターJake Thomas氏には一般的な発電機や、各社の製品ラインについて話を聞きました。
ニューハンプシャー州の田舎に住んでいて冬の嵐による停電は日常茶飯事だったため、発電機を長年所有してきた自分自身の経験もより実践的な評価のために活用しました。過去10年間で発電機を使う機会は多く、土砂降りの雨の中で起動するのに25分かかるなど、発電機の使用に伴う一般的な不満を含め実体験を考慮しています。
どんな人が発電機を買うべき?
今回は2,200Wクラスのインバーター発電機に焦点を当てました。持ち運びが可能なサイズで、出力はキャンプや車中泊、軽い建設作業などに適しています。ほとんどのインバーター発電機は、一般的なガス式発電機よりも静かですが、ガスで動くことに変わりはないため燃料の確保、定期的なメンテナンス、屋外での使用を想定する必要があります。
2,200Wの発電機といっても、一定の電気負荷に対応できるのは走行時のワット数で1,800W程度です。2,200Wという数字は電子機器の電源を入れたときに発生する短時間のワット数と、その瞬間に維持できる電力を示していて、連続ワットやピークワットと呼ばれることもあります。この規模であればトースター、電子レンジ、コーヒーメーカーなどの一般的な家電製品に対応します。多くの発電機は使用しているワット数をアプリで確認できて、適宜調整することができます。
家の電気系統に直接接続できて大型の家電製品や給湯器などにも対応できるバックアップ電源としては、少なくとも6,500W台の大型発電機が必要になります。持ち運ぶこともできなくはないですがはるかに大きく、価格は1,000ドル(約10万9540円)から5,000ドル(約54万7680円)が一般的です。
スタンバイ発電機として家の外に設置される大型の固定式発電機もあります。これは家の電気パネルに直接接続し、停電時には自動的に電源が入るのが一般的です。価格は2,000ドル(約21万9070円)から3万ドル(約328万6080円)以上で、さらに配線や設置場所の準備、電気機器などの費用もかかります。
おすすめの発電機の選考基準
インバーターであること:一酸化炭素検知機能とBluetoothモニターを備えたインバーター発電機で、発電機に定評のある企業が製造している必要があります。バッテリー式の場合はバッテリーの消耗が難点であっても、それ以上にガスエンジンの不便さを解消してくれるものが望ましいです。
従来の発電機は単に交流電力を作るだけでしたが、インバーター発電機は交流電力を作ってそれを直流電力に変換した後、再び交流電力に戻すことで繊細な電子機器に必要なクリーンな電力を作り出してくれます。また、インバーター発電機は一般的に音が静かで、複数台あれば連結して電力容量を増やすことも可能です(たとえば2,200Wの発電機を2台連結すると4,400Wの電力に)。インバーター式発電機は同じサイズの従来のタイプよりもコストが高くなる傾向がありますが、そのぶん燃料効率も良くなります。
通常の発電機は一定の速度で稼働し、必要に応じて手動で調整する必要があります。一方、インバーター発電機は1〜2台接続しているだけならエンジンが自動でスロットルを下げて、負荷を維持するのに十分なガスと電力のみ使用します。より大きな負荷をかけると、エンジンの回転数が上がります。その結果、インバーター発電機の音は最小限になります。また2,200Wクラスの小型インバーターは、一般的に断熱性の高い消音シェルに収納されています。
こうした自動調整は燃費の向上にもつながります。電力負荷に応じてエンジンの回転数を上げるエコモードは、オン / オフ切り替えが可能で、今回選んだリョービはアプリで設定を変更できます。ホンダは同モデルの騒音レベルと燃費の違いを分かりやすく図で説明しています。
一酸化炭素が検出できること:最新の発電機には一酸化炭素検知機能があり、排気の飽和度が高くなりすぎると停止するようになっています。これは非常に重要な機能で米国消費者製品安全委員会によると、2005年から2016年の間に発電機による一酸化炭素中毒で849人が亡くなっています(PDF)。2020年のハリケーン「ローラ」により発生した15名の死亡者のうち、8名はポータブル発電機によるCO中毒が原因と考えられています。
この機能により100〜150ドル(約1万960円~1万6440円)は高くはなりますが、それだけの価値は十二分にあるといえるでしょう。2020年にはホンダが初めて一酸化炭素検知機能をすべての発電機に搭載しました。他の有名発電機メーカーもこれに追随すると考えられます。
ただ、このようなセキュリティ機能が搭載されていても危険性はなお残っていると認識しておくことが重要です。たとえば窓の外に発電機が設置されていると、家の中にガスが侵入しているにもかかわらず、センサーが一酸化炭素の蓄積を検知できない可能性もあります。
Bluetooth対応かどうか:最近の発電機のなかにはBluetooth接続機能が装備されているものがあります。これにより電力使用量の監視、エンジンの停止、ガス切れまでの残り時間の推定などがアプリできます。たとえば1,200Wで複数のデバイスを動かしているとき、800Wの電子レンジを使用するには約200W落とす必要があるなどの情報がわかります。ほとんどの家電製品にはワット数が表示されていますが、その数値が起動時のワット数なのか稼働時のワット数なのかは明確でないことが多いです。
アプリなしでは推測の域になることが多く、正確な数値がないがために利用可能な電力を十分に活用できなかったり、常に過負荷になる(発電機のリセットと再起動を行なう必要があり、場合によっては嵐の中外に出なければいけないことも)といったことも起きやすくなります。アプリを使えば自宅や避難テントで安全にモニタリングできます。
メーカーの信頼度:発電機を停電時のバックアップとして使う場合、メーカーに信頼が置けるかどうかは大きな意味を持ちます。今回は定評のあるメーカーのモデルのみを推奨しています。一般的に、保証やサービスネットワークが充実していて、交換部品も容易に入手しやすくなります。
Amazonでは無名ブランドの安価なインバーター式発電機が多く販売されています。そのうちの1台を試してみましたが、明らかに他の製品よりも品質が低く、アクセスパネルが壊れていてエンジン音もひどく、執筆時にはもう販売されていませんでした。
電池式の選択肢があるかどうか:「パワーステーション」と呼ばれる2,000〜3,000Wのバッテリー式発電機にも注目しました。内燃機関を持たないため屋内でも使用できるほかメンテナンスが最小限で済み、ガスやオイルも必要ありません。音も静かで排気ガスも出ません。「Ego Power+ Nexus Portable Power Station PST3042」を試してみましたが、理想的な場合とそうでない場合が状況によって異なることがわかりました。バッテリーが一度切れると追加のバッテリーを用意するか、長時間の充電を待つ必要があります。
液体プロパンやデュアルフューエルの発電機は今回は取り上げていません。状況にもよりますが、ほとんどの場合ガスとバッテリーは携帯性と供給の補充という点でより便利だと考えられます。もし、この種の発電機が必要な場合、プロパンガスモデルの品揃えが充実しているのはDuroMaxです。
おすすめ発電機の検証方法
多くの2,200Wの発電機は見た目がよく似ています。重さはどれも約20kg強で稼働時は約1,800W、起動時は約2,200Wです。
各発電機の上限を見つけるために、1,700W、1,800W、1,900Wの負荷で運転し(さまざまなスペースヒーター、掃除機、扇風機、電動工具を使用)、各モデルの動作ワット数を確認しました。またTriplett SoniCheckサウンドメーターを使って、1.5m、3m、8mの距離でサウンドテストを行ないました。
これらのテストに加えて、大部分は発電機を実際に使用してみることに時間を費やしました。ワット数を増やしたり減らしたり、意図的に過負荷にしたり冷えたエンジンでどれだけ簡単に始動できるかも確認しました。エンジンのセットアップやオイルの排出、スパークプラグの交換がどれだけ簡単にできるか、メーターは見やすいか、説明書はわかりやすいかも重視しました。また携帯性にも注目しました。
Bluetoothが搭載されている場合は、アプリの使いやすさや機能を比較することに時間をかけました。
1位:パワフルで頼れる発電機「Honda EU2200i」
停電時だけでなくアウトドアなどの娯楽シーンでもおすすめできるのが「Honda EU2200i」。今回テストしたなかで最も強力な発電機で、他モデルよりもはるかに大きな電気負荷を維持します。一見小さく見えますが、エンジンの大きさである排気量(シリンダーの容積)は他のモデルが80ccであるのに対し121ccとなっています。
ホンダの発電機は、長寿命、高品質、耐久性に定評があり、オイルフィラーのラバーリップなど細部にいたるまでしっかりと考え抜かれています。最初の1回で必ず始動してくれることからも、頼りがいがあることは明らか。
一酸化炭素検知機能に加えて、Bluetooth接続によりアプリで電力消費量が明確にわかるのも便利です。アプリには、メンテナンスのリマインダー機能もついています。「EU2200i」は同サイズの他の発電機と比べると値段は高いですが、全体的な品質、信頼性、能力をすべて考慮するとその価値はあるといえます。
メーカー記載によると、1,800Wの発電機で2,200Wの始動出力を持つとのことですが、テストではそれを上回る性能を発揮してみせました。スペースヒーターを2台(合計で約1,930Wの電力)設置して4台の発電機を同時に稼働させたところ、オーバーロードしなかったのは「EU2200i」だけでした。同じ状態で1時間以上稼働させ続けましたが、1,930Wという過大な負荷に見事耐えきりました! これについてホンダのDavid Bush氏は、エンジンの大型化により性能向上が可能になったと説明しています。
さらに「EU2200i」は今回テストしたなかで最も軽くて静かな発電機でもあります。騒音レベルをチェックしたところ「EU2200i」のすぐそばに立つのと、リョービRYi2322VNMから3メートル離れたのとでは同じデシベル値が得られました。静かなのはもちろんですが、高品質なエンジンの心地よいともいえる音が特徴的です。
ホンダのアプリでは発電機の出力を正確に管理するために重要な、現在の電力使用量が確認できます。電力使用量は数字と自動車のスピードメーターのような見やすい文字盤の両方で表示されます。さらに、エンジンの総稼働時間を記録し、オイル交換やフィルター清掃、スパークプラグの交換などのタイミングもわかります。エコモードのオン・オフは表示されますが、リモートで操作することはできません。
気になったところ
1つは他の発電機よりも早くガスを消費すること。同社によると25%の負荷(約450W)で8.1時間、100%の負荷で3.2時間持ちます。同じ25%の電力を使用した場合リョービは10.3時間、デウォルトは11時間持続すると記載されています。この差は「EU2200i」の方がエンジンの大きさによるものだと考えられますが、常に予備のガスを用意しておくのが良さそうです。
もう1つはホンダのあらゆる製品で指摘できることでもありますが、非常に高価なこと。1,000ドル以上するため、600ドル前後のリョービやデウォルトと比べても大きな価格差があります。ただこれは、信頼性や実績を考えると正当な価格設定だともいえます。
そのほか気になったのは2019年以降「EU2200i」の生産ラインで2回のリコールを行なっていること。最初のリコールはガス漏れに関するもので、2回目のリコールは塩水があると発電機がショートする可能性があるというものでした。ホンダのDavid Bush氏によると「これらの問題を回避するために、すべての新モデルは工場で修理・調整が行なわれたうえで出荷されている」とのこと。リコール後、さらなる事故を回避するために設計を更新したと詳しく説明してくれました。
最後に小さな点を2つ。リョービとデウォルトのモデルにはUSBポートが付いているのに対し、ホンダの「EU2200i」にUSBポートが付いていないのには疑問が残ります。また「EU2200i」にはエンジンオイルが付属されていないため、稼働前に追加で購入しなければなりません。
上記の欠点を踏まえても、全体的な「EU2200i」のパワーや信頼性は高く、依然としておすすめできます。
2位:多機能で使いやすさ抜群な発電機「RYOBI RYi2322VNM」
ホンダの「EU2200i」が予算オーバーだという場合におすすめなのがリョービのBluetoothインバーター式発電機「RYi2322VNM」。今回テストしたなかで最も豊富な機能を備えたアプリ、便利なリモートリセットオプション、操作パネルのデジタル表示、車輪や伸縮式ハンドルなどの細やかな配慮など、評価すべき機能を備えています。他モデルと同様に一酸化炭素検知機能があり、価格も手頃です。
出力は運転時が約1,800W、起動時が約2,300Wです。テストでは1,900Wを維持しようとしてオーバーロードしましたが、1,800Wまで負荷を下げると持ちこたえていました。2,100Wの丸形電動のこぎりには対応できず、テストのすえ起動ワット数は2,200弱と考えられます。
「RYi2322VNM」はどの発電機よりも利便性と使いやすさを重視しているのがわかります。今回試したなかで本体に現在の負荷と残り時間を表示しているのはこの製品だけでした。こうした情報はBluetooth経由でアプリにも表示され、エコモードのオン・オフや過負荷時のリセットから再発電まで操作することができます(他の発電機では、過負荷になった場合、手動で電源を切って再起動する必要があります)。
アプリの使い方は簡単で、発電機と接続するのにも問題ありませんでした。不満な点があるとしたら電力使用量の表示が電力量の数値ではなく、電力使用量の増加に応じて8本のバーが表示される仕様になっていることです。発電機の出力管理には明確な数値があるともっと便利でした。
「RYi2322VNM」は今回テストした発電機のなかで最も大きな音を出しましたが、それでも従来の発電機に比べればずっと静かなほうです。1,500Wの負荷をかけた状態で約7mの距離では77dBを記録しました。ミシガン大学保健図書館によるとこれは掃除機のレベルと大渋滞のレベルの間に位置するとか。
3位:ミニマルでコスパ高な発電機「DeWalt DXGNI2200」
ホンダとリョービの発電機が手に入らない場合におすすめなのがデウォルトの「DXGNI2200」です。一酸化炭素検知機能を搭載し、性能も価格もリョービに匹敵するほどです。欠点を挙げるとしたらBluetooth接続がなく、使用可能な電力の管理がわかりづらいことです。
スペックを見る限りデウォルトの「DXGNI2200」はリョービの「RYi2322VNM」にパワーが若干劣るようですが、実際にテストしたところ、逆にデウォルトがわずかに優位に立つことが判明しました。デウォルトもリョービも1,800ワット付近でオーバーロードしましたが、2,100ワットの丸形電動のこぎりを使用したところリョービでは常にオーバーロードしたのに対し、デウォルトは始動力を維持できていたのが印象的でした。
デウォルトのインターフェースはミニマル。アプリがないため残り時間や電力使用量の感覚が得られず、メンテナンスのリマインダーもないのが多少不便に感じます。また過負荷になった場合に備えた、リモートシャットオフやリモートリセットのオプションもありません。発電機の能力を十分に活用するためには、接続されているアイテムのワット数を意識しておく必要があります。
それ以外の点では、堅実な作りの高品質な発電機であり、いざというときに安心して頼ることができる製品である印象です。
4位:ガス要らずで便利な発電機「Ego Power+ Nexus Portable Power Station PST3042」
究極の面倒くさがり屋さんにおすすめしたいのが電池式の「Ego Power+ Nexus Portable Power Station PST3042」。
従来のガス発電機と同じような見た目ですがバッテリー駆動でコードがなく、メンテナンスも最小限。騒音がほとんどなくて臭いや有害な排気ガスもないため、屋内でも使用できます。一方で、バッテリーの駆動時間が短いため、停電時の使用には限界がありそうです。最小限の停電時のバックアップ、屋外でのレクリエーションなどには最適な選択肢です。
「Power+ Nexus」は、家の中を自由に移動することができるので、たとえば停電中にいろいろな部屋で照明を使いたい場合に持ち歩くといった使い方もできます。集合住宅やアパートメントの上の階に住んでいる人など、通常の発電機を用意できない人にも適しています。また、熱波や山火事の季節に計画停電が発生するような都市部でも活躍するはずです。
本体前面には、ガス発電機と同様のインターフェースがあり、コンセントやUSBポートが用意されており、現在の負荷での残り時間を読み取ることができます。メーカー記載の性能は連続負荷2,000W、ピーク負荷3,000Wで、今回テストしたガス発電機よりも少しだけ良い数値となっています。ただし、これはあくまでも最良のケースを想定した数値であり、パワー不足時などには調整が必要です。「Power+ Nexus」は、稼働時以外は壁に差し込むことで4ポートの充電器になるので、すでにEgoシステムのパワードツールを所有している人にはさらに便利です。
全体的な外観や使い勝手はガス発電機と非常によく似ています。両端にハンドルがあり、重さはHonda EU2200iとほぼ同じで、バッテリー2個を入れても約4.5kg。欲をいえば他のモデルのように上部に1つのハンドルがあったら片手での持ち運びがもっと楽になったかもしれません。
「Power+ Nexus」が「Goal Zero Yeti 3000X Portable Power Station」のような他の大型ポータブルと異なるのは、使用中でも新しいバッテリーに交換できること。ただし「Power+ Nexus」は充電中には動作しないので注意が必要です。また「Goal Zero」とは異なり、「Power+ Nexus」はソーラー充電には対応していません。
「Power+ Nexus」はガス発電機に比べてもはるかに便利で使い勝手が良いです。音が非常に静かで大きな負荷がかかった場合以外はまったく音がしません。それもファンの音だけで、ドライヤーを弱に設定したときよりも静かといえるほど。またガスやオイルを必要とせず、メンテナンスもほぼ不要。田舎のかなり広い敷地で電気が必要な場合や、延長コードの届かない場所での作業にも役立ちました。
一方で、他の発電機で同様に1,900Wの負荷をかけた場合、「Power+ Nexus」(7.5Ahのバッテリーを2台搭載)が負荷を維持できたのは約20分のみ。たとえば「Honda EU2200i」(ガソリン1本搭載)は、同じ負荷でも約3時間維持できるのと比べると結構な差だといえます。「Power+ Nexus」の充電時間は約8時間。また、7.5Ahのバッテリーをさらに2本追加すれば、同じ負荷でも40分ほど性能が向上します。
「Power+ Nexus」の本領が発揮できるのは、常に激しい電気負荷をかけない場面。丸形電動のこぎりを使った作業も、小さなものであれば簡単に切断できました。音が静かなので音楽を聴きながら作業することもできます。ガス発電機の場合、静かなものであっても、ポッドキャストなどの音はすぐにかき消されてしまいます。
「Power+ Nexus」にはBluetoothが搭載されていて、Egoのアプリに接続すれば現在の負荷、各バッテリーの残量、現在の使用状況での残り時間が確認できます。充電中の場合は各バッテリーの現在の充電量や、フル充電になるまでの推定時間を表示したり、各コンセントを有効 / 遮断することも可能です。
Egoの電源機能を使いこなせるようになると、外仕事をする際に「Power+ Nexus」はかなり頼りがいのある存在でした。駆動時間が短いため電源管理が非常に重要ですが、本体のディスプレイやアプリを使えば、何を接続するか / しないか、どのくらいの時間使用するのかなどの判断がしやすいです。
今後の注目どころは大型発電機
Wirecutterでは現在、大型の発電機をテスト中。7,000Wの「Honda EU7000i」や6,250Wの「Champion 100519」など、家庭の電気系統に接続し、より包括的な緊急時のバックアップとして使用できるものに注目しています。
そのほか気になった発電機
「Champion 100889」、「DuroMax XP2200iS」、「Echo EGI-2300」、「Generac GP2200i」、「Westinghouse iGen2200」「Yamaha EF2200iS」なども、今回テスト対象としたワット数帯のガス発電機として注目しました。どのメーカーも定評がある一方で、命を救ううえで必要不可欠な機能である一酸化炭素検知機能を装備していないものが大半でした。
Ego社の「Power+ Nexus」以外で優秀なのは、「Goal Zero Yeti 3000X Portable Power Station」。このモデルはEgoと同様の機能を備えていますが、内蔵バッテリー1つで動作します。「Yeti」は3,000ドル(約32万9360円)以上で販売されていることが多く、「Power+ Nexus」よりも約2,000ドル高いです。また「Yeti」はソーラーパネルで充電することができますが、アクセサリーは別途購入する必要があり、数に応じて300ドル(約3万2920円)以上の追加出費が必要になります(1つ増えるごとに充電時間が短くなります)。
©2021 WIRECUTTER, INC. A NEW YORK TIMES COMPANY.