Expert Meeting on the way of informationization of school affairs under the GIGA School concept (1st) minutes

Expert Meeting on the way of informationization of school affairs under the GIGA School concept (1st) minutes

1.日時

令和3年12月23日(木曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

Web会議による開催

GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第1回)議事録

3.議題

  1. GIGAスクールの構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議の運営等について(非公開)
  2. GIGAスクール構想の下での校務の情報化の現状について
  3. 学校関係者ヒアリング (全国公立学校教頭会・全国公立小中学校事務職員研究会)
  4. その他

4.出席者

委員

石井委員、石田委員、井上委員、今井委員、清野委員、小﨑委員、執行委員、妹尾委員、高橋純座長代理、鶴田委員、中村めぐみ委員、中村義和委員、福原委員、藤村委員、堀田座長、水谷委員、山口委員

文部科学省

伯井初等中等教育局長、茂里大臣官房学習基盤審議官、村尾財務課長、板倉学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、須原学校デジタル化プロジェクトチーム専門官

オブザーバー

全国公立学校教頭会 会長 長谷川 右 氏、全国公立小中学校事務職員研究会 副会長 前田 雄仁 氏 / 情報推進部長 大熊 康之 氏デジタル庁国民向けサービスグループ、文部科学省総合教育政策局教育DX推進室、文部科学省初等中等教育局財務課、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

5.議事録

GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議(第1回)議事録

令和3年12月23日

(冒頭から議題1までは非公開) (傍聴者入室) 【堀田座長】それでは、会議を再開いたしましょう。改めまして、私、この会議の座長を務めます堀田でございます。本日は第1回でございますので、ここで私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。 御存じのとおり、GIGAスクール構想によりまして、義務教育段階の学校現場には児童生徒1人1台整ったところでございます。このGIGAスクール構想は端末だけの話ではなく、クラウドの活用を前提とした条件整備であると、中教審の答申等にもそういうふうに書いてあります。多くの学校現場は、今年度の前半に先生方が御苦労をいただきまして、無事に子供たちが使い始め、操作にはようやく慣れて、いよいよ情報活用能力の育成に踏み込んでいるというタイミングかと思います。 一方で、同じように端末がそろったところでも、必ずしもネットワークの整備が十分ではないという自治体も幾つか散見されまして、その辺りのチェック、あるいは見直し等も進んでいるところでございます。まだ基盤整備にとどまっておりますが、この後、子供たちに力がついてくると、次第に学習、授業のDXにつながっていくものというふうに思います。 さて、そういう子供たちの学習を支えていただく先生方ですが、先生方も色々働き方改革等、話題になっているところです。私ども、こういう会議で幾つも議論して参りましたが、先生たちにとって、先生たちの働き方にとって、あるいは学校の校務にとって、ふさわしいICTの環境の在り方はどうあるべきかという議論においては、恐らくクラウド以前の考え方で整理されて、それが学校に導入されてきたという経緯がございます。 GIGAを見ていて感じるのですが、端末がそんなに値段の高いものではなくても、クラウド上の様々なサービスで便利に、そして合理的にできることが色々増えてございます。また、デジタル庁等の動きによりまして、色々なデータの共同での利用、活用が進んでいるところでございます。そういう状況におきまして、先生たちにとってより働きやすくなる、あるいは学校の校務にとってより便利になる、もっとラフなやり方を組み込んだ校務の情報化の在り方について、このクラウド自体を再検討することによって、先生方が働きやすくなればというふうに考えているところでございます。 この会議では、そういう議論ができればというふうに思っておりますので、皆様の御知見を、お力をお貸しいただければと思います。 長い挨拶で失礼いたしました。それでは、議題に移ります。 続きまして、議題2の「GIGAスクール構想の下での校務の情報化の現状について」ということで、まずは事務局から説明をお願いいたします。【板倉リーダー】皆様、御参加いただきましてありがとうございます。文部科学省初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチームリーダーの板倉でございます。資料2に基づきまして、御説明いたします。 まず、開いていただきまして、1ページ目でございます。GIGAスクール構想の推進についてでございますが、GIGAスクール構想とは、1人1台端末、通信ネットワーク等の学校ICT環境を整備・活用することで、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実など、教育の質を向上させる構想という整理でございます。 その上で、現在はGIGAスクール構想に基く学校ICT環境の整備がかなり進んできたところでございまして、2ポツにありますように、整備された学校ICT環境の活用支援の充実が本格化しているというところでございます。その中で、今後の展開の一番下のところでございますけれども、やはり1つ、これから取り組まなきゃいけない課題の1つとして、デジタル化による校務の効率化ということが考えられるというところでございます。 続いて、2ページ目でございます。我が国の教員の勤務時間でございますけれども、TALIS 2018の結果によりますと、日本の小中学校教員の1週間当たりの仕事時間は最長でございます。特に全教科を担当する小学校教員の授業時間や、授業計画準備の時間が長時間化しているところでございます。 左下のグラフでございますけれども、教員の仕事時間は参加国中最も長く、人材不足感も大きいというところでございます。例えば事務業務等が参加国の中で最も長いということでございます。また、右側でございますが、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善や、ICT活用の取組等が十分でないというのが、当時の結果でございました。 続いて、3ページ目、お願いいたします。文科省としましては、現在、「StuDX Style」という特設ホームページを設けているところでございまして、こちらに関しまして、学習指導等の事例を載せているところでございますけれども、そのほか、校務の情報化に関するものも載せております。 例えば4ページ目、御覧いただければと思いますが、4ページ目で言いますと、欠席連絡のデジタル化というのが、まず家庭と教師のやり取りのところに載っております。あるいは、右側で言いますと、部活動連絡のオンライン化ですとか、学級通信を通した家庭との情報共有、個人面談日程の希望調査オンライン化、授業研究会におけるクラウド活用、職員会議のペーパーレス化、このような形でGIGAスクール構想の端末というのを、学習指導等のみならず、校務に関わることにもうまく活用していくことを事例として示しているところでございます。 5ページ目をお願いいたします。また、文部科学省としまして、全国の学校における働き方改革事例集というものを公表しているところでございます。こちらの中で、広く、これはまさに働き方改革の事例を詳しく載せているところでございますけれども、その中に、後半の部分でGIGAスクール構想に伴い、教職員のICT環境整備も大幅に進むことを想定し、ICT環境を活用した校務効率化も紹介させていただいているところでございます。 例えば6ページ目をお開きいただければと思いますが、欠席連絡・検温報告のWebアンケート化ですとか、あるいは学級通信などのオンライン配付、面談調整のオンライン化、こういった事例も載っているところでございます。 続いて、7ページ目でございますが、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインについてでございます。一方で、やはり児童生徒や外部からの不正なアクセスなどから学校の情報セキュリティ対策を講じることが必要でございますので、こちらに関しましては、そのセキュリティポリシーの作成や見直しを行う際の参考とするものとして、29年10月にセキュリティポリシーに関するガイドラインができたところでございまして、令和3年5月に第2回の改訂を実施したところでございます。 その中で、GIGAスクール構想下におけるセキュリティ対策について、諸々触れているところでございます。端末整備推進に伴う新たなセキュリティ対策の充実ですとか、教育情報ネットワークの在り方を明確化しているところでございます。その中で、特徴としましては、将来的にはネットワークを分離しないことによる利便性向上を目指すといったことも示されているところでございます。 そして、8ページ目でございますが、今まで校務の情報化といえば、この統合型校務支援システムについてのことを指すことが多かったわけでございますけれども、統合型校務支援システムとは、教務系、保健系、学籍系、学校事務系などを統合した機能を有しているシステムのことでございます。手作業が多い教員の業務の効率化を図る観点で、各地域で使われているところでございます。 そして、9ページ目でございますが、現在、統合型校務支援システムに関しまして整備が大分進んできておりまして、統合型校務支援システムを整備している学校は約73.5%というところでございます。着実に前に進んでいるというところでございます。 10ページ目、御覧いただきますと、こちらにありますように、このような形で順調に、今のところ伸びてきているところでございます。 一方で、11ページ目でございますけれども、今、現状どういうようなことがあるかというところでございますが、先ほど申し上げたように、自治体における校務支援システムの導入状況に関して、今年5月現在のもので調査を自治体に対してしたものでございますけれども、1ポツにありますように、自治体等における校務支援システムの導入状況が進んできていると。 ただ、校務支援システムのサーバーの運用形態を見ますと、インターネットに接続しているのは48.7%であり、データを利活用できない仕様で運用している自治体等が多い。そして、3ポツ目、校務系データと学習系データの連携でございますが、校務系と学習系のデータ連携が実施というのは4.2%でございます。別々の端末で同じデータ入力等が行われるなど、校務の効率化に資するデータの連携が進んでおりません。 一方で、データ連携ができている場合、校務系で作成した名簿を学習系での利用、校務系での学習系システムの利用状況確認可能など、校務の効率化に資する取組が行われているところでございます。 4ポツ目の校務支援システム内のデータを自組織の他のシステムと連携ということに関しましては、実施しているのが8.0%、可能だが実施していないが19.9%、このような形で校務支援システムのデータ利活用はあまり進んでいない状況でございます。 また、5ポツ目、教職員が自宅等から校務支援システム等に業務を実施できるようになっているところが、常時利用可能が4.7%、希望時に利用可能が5.3%ということでございまして、校務支援システムが在宅勤務等に活用できるのはまだ少数でございます。 12ページ目でございます。来年度の概算要求でございます。「学校ネットワークの今後の在り方に関する実証研究」をさせていただこうと思っておりますが、その中でも特にこの当会議に関係ありますのが、事業内容の右上になります「校務系・学習系ネットワークの連携に関する実証研究事業」でございます。こちらに関しましては、校務系・学習系のネットワーク構成について、ネットワーク分離を必要としない、アクセス制限を前提としたネットワーク構成に向けて、クラウド化やアクセス制限、認証などの技術的対策等に関する実証研究を実施し、校務の効率化に資するネットワーク構成の実現方法について、整理を行うものとしております。 私からの説明は以上とさせていただきます。【堀田座長】ありがとうございました。この説明につきまして、何か御意見ある方と思っているんですが、先ほど初等中等教育局長の伯井局長がお見えになりましたので、ここで一言御挨拶をいただきたいと思います。 局長、よろしくお願いいたします。【伯井局長】皆さん、おはようございます。文部科学省初等中等教育局長の伯井でございます。第1回「GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議」の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。 まず、委員の皆様方におかれましては、日頃より学校教育の情報化に向けて多大な御支援・御理解をいただきまして、誠にありがとうございます。また、今回は、それぞれ先生方、大変御多忙の中、校務の情報化の在り方に関する専門家会議ということで、委員をお引き受けいただきまして、重ねて御礼申し上げます。 この会議は、GIGAスクール構想が進展する中で、1人1台端末の活用、あるいは学校における働き方改革をより進めるための校務の情報化の在り方や、校務系システムのデータと他のシステムとの連携の可能性等、今説明がありましたように、まだまだ様々な技術的課題等がございますが、そうしたことについて、今後の方向性を示すということを目的としておりまして、学校教育やICTなどに知見を有する皆様方から様々な御意見をいただきたいと考えております。 本日は、GIGAスクール構想の下での校務の情報化に関する現状や、学校関係者からのヒアリングなどを行いたいというふうに考えております。委員それぞれのお立場から、校務の情報化についての課題意識を御発表いただければと存じます。 委員の皆様方におかれましては、校務の効率化がより推進され、全国の教職員が校務の情報化の成果を実感しながら、教育活動の質の向上につながる、そして先生方の働き方改革につながるような校務の情報化の在るべき方向性や、今後の戦略などについて闊達な御議論をいただきまして、その取りまとめをお願いできればと考えております。 どうかよろしくお願いいたします。【堀田座長】伯井局長、ありがとうございました。 それでは、この資料について御意見等をお願いしたいところなんですが、ちょっとこの先の段取りを少し御説明しておきます。まず、今、資料2の御説明をいただいたところです。この後、学校関係者ヒアリングで2件、ヒアリングがございます。それぞれについて、それぞれの固有の内容についての質疑はとりますが、それが全部終わった後に、全ての委員の方々に一言ずつお話しいただくお時間をとっております。もし、事前に色々調べていただいて、御主張等がある場合は、むしろ後半でお話しいただきまして、このタイミングではこの資料にまつわる質疑等にとどめていただければ幸いでございます。 それでは、資料2につきまして、先ほど板倉リーダーから御説明がありましたが、この内容につきまして、何か質問、あるいは、そういうものはございますでしょうか。 よろしいですかね。御意見も色々きっとあろうかと思います。実際、GIGAの端末が入って、学習系のところで大量にデータが出てきて、これをどう利活用するかがこれからのデータ利活用において非常に重要になっていますが、これが校務支援システムと連動していないことによって、先生方がかえって大変になっているみたいな現実がございます。 この辺りをどのように見直すべきかというのが、私たちの今回のミッションの1つでございますので、そういう観点で、今後お考えいただければと思います。ありがとうございました。 では、続きまして、早速、学校関係者のヒアリングに参りたいと思います。今回、初回の会議ですので、委員の皆様に幅広く御議論していただくために、まずは教職員の業務の多忙化の現状のようなもの、あるいは学校の情報化で、どういうところがうまくいっていて、どういうところに課題があるかみたいな観点から、2つの団体にお願いをいたしました。 1つは、校内で、学校の中で最も忙しいと思われる副校長先生、教頭先生の団体である全国公立学校教頭会です。もう一つは、事務職員の立場から、全国公立小中学校事務職員研究会にお願いしたところでございます。それぞれ短い時間で大変恐縮ですけども、御発表をお願いいたしたいと思います。 では、まずは全国公立学校教頭会から、長谷川先生、よろしくお願いいたします。【長谷川発表者】全国公立学校教頭会、令和3年度の会長を務めております、千葉県船橋市立葛飾中学校教頭の長谷川右と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、校務の情報化の専門家会議に発表者として参加させていただきます。 それでは、画面の方、共有させていただきます。お願いします。事例報告ですが、パワーポイントを使用して、なるべく分かりやすく報告させていただきたいと思います。初めに、全国公立学校教頭会ですが、略称は全公教といいます。全国の52の単位教頭会、副校長会で組織し、全国の公立小中学校の副校長、教頭の約2万8,000人が所属している団体です。 それでは、事例報告をさせていただきます。校務の多忙化と情報化の現状としまして、項目を御覧の5つとしました。今回、資料として、1、全国公立学校教頭会の調査。毎年、全会員対象に調査を行っています。2万人以上の回答があり、学校現場、副校長、教頭の状況を表わす貴重なデータです。 2、全公教役員等アンケート。最新の状況を捉えるため、今回、全公教役員等、約30名にアンケートを行いました。これらを基に報告をまとめました。その他、公開資料として添付しておりますので、事例報告の参考にしていただければ幸いです。 まずは、全国の状況として、調査結果から学校多忙化の状況を報告します。副校長、教頭の通常日の勤務時間ですが、10時間以上の勤務が全体の90%以上、12時間以上13時間未満が一番多く、長時間勤務の状況が分かります。過去2年と比較すると、令和3年は更に長時間化しています。 次に、副校長、教頭の休暇取得日数ですが、1日以上5日未満が一番多く、全体的に見ても、10日未満が平均して多いことが分かります。ほとんど数日の休暇しか取れない状況です。ここ2年は、コロナ禍にあり、予測不可能な状況の中で様々な対応に追われたこと、また、GIGAスクール構想による1人1台端末配置、オンライン授業への対応など、これまでにない状況が勤務時間や休暇取得日数に反映しているのも事実です。 次に、時間と労力を費やしている職務ですが、各種調査依頼等への対応、文書処理等が一番多いことが分かります。毎年、全国の副校長や教頭がほぼ全員一番と答える項目です。 次のスライドは、費やす時間と労力を分かりやすくしたものです。次は、負担(疲労やストレス)を感じる職務です。やはり、一番多い項目は、各種調査依頼等への対応です。2番目に多い項目は苦情対応となっており、我々、副校長、教頭にとってストレスの大きな要因の2つです。 次のスライドは、時間とストレスを棒グラフと折れ線グラフで表したものです。赤丸で囲んであるものが、時間もかかり、ストレスも感じる、厳しいと思われる業務となります。 次のスライドは、時間とやりがいを、先ほどのグラフと同じように表わしたものです。赤丸で囲んだ項目は、時間は多くかかり、更にやりがいを感じられない、厳しく辛い業務となります。以上が、学校多忙化の状況を調査結果からお示ししました。 次に、全公教の役員等から、最新の状況、アンケートの集計から、校務情報化の情報環境について報告をさせていただきます。まず、校務用パソコンについては、約3割は教育用との兼用となっています。校務支援システムについては、100%投入されているとの回答でした。全国調査では、100%には至っておりません。 次に、校務用パソコンのネットワーク環境では、各自治体の教育用(校務用)のネットワークが一番多く、約7割、校務用パソコンのインターネットへの接続は、約8割が接続できていると回答していますが、インターネットにつながっていないとの回答がまだ約1割ということも現状です。 以上が、情報環境についてのアンケート結果となります。 次に、校務情報化の効果です。役員等からのアンケート結果をワードクラウドのようにしてみました。校務の情報化によって効果が表われると感じるものとして、やはり働き方改革全般が中心となります。そのほか、職員会議等のペーパーレス化、学校評価などのアンケート機能、教職員の情報共有などが本格的に使用されている状況が、働き方改革につながっていることが分かります。 次に、課題です。教職員の意識・スキルですが、教職員の情報化への意識の違い、スキルの差が情報化推進の大きな障害となっていることもあります。 デジタルとアナログの共存ですが、多忙化の現状の一番多い項目になります。調査依頼等への対応となりますが、校務支援システム、それから電子メール、そして、市内集配など、それぞれで文書が届くこと、提出や保存が紙媒体であることなどが挙げられます。 情報環境の不備ですが、学習用端末は配置されたが、校務用が教職員全員に配置されていないということが挙げられます。 セキュリティへの支障ですが、学校による独自ルールがあり、自治体での統一もされていないことなど、また、個人情報保護法の観点も含み、ある自治体では、1つ目が教育用、2つ目が校務支援用、3つ目が市職員用、これは行政用、4つ目がGIGAスクール構想による1人1台端末と。朝、出勤すると、職員室の机の上に4台のパソコンを出して、使い分けながら業務を行っているというケースもあるとアンケートの内容にありました。 ほかにも、アンケートを見ますと、各自治体、各学校によって差があることが分かります。 次に、要望ですが、先ほどの課題を受けて、1つ目、情報化の予算を増額していただき、情報環境の整備を充実していただきたい。2つ目、自治体間の統一、それを基に統一したシステムの構築。先ほど報告しましたが、1人4台を使い分けるなど、情報システムの改善をお願いしたい。 次に、期待です。学習への活用、保護者連携、在宅勤務の実現、特にこの3つについては、情報化が進むことによって多忙化解消につながり、更には新しい活用方法が可能になることを期待しているところです。 まとめとして、校務情報化の前提にあるのが校務のスリム化であり、人的配置の増員です。事務職員が配置されていない学校もあり、教頭が代わりに事務職員の業務を兼務して、土日、休日に出勤しているというような自治体もあると報告を受けています。また、情報化の進展に併せICT支援員の更なる配置も必要です。私も、学校評価アンケートなど、ICT支援員に非常に助けていただいたのも事実ですので、是非お願いしたいというところです。 環境整備は、働き方改革全般につながります。今は、新たな制度や機器の導入時期で、学校はその対応に追われている状況ですが、それが定着することによって、新たな活用が進めば、副校長、教頭のワーク・ライフ・バランスにつながると考えています。新たな活用が全国的に広がっていくことを期待しています。 最後になりますが、校務の情報化の専門家会議で事例報告をする機会を与えていただき、感謝申し上げ、全国公立学校教頭会の事例報告とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。【堀田座長】長谷川先生、ありがとうございました。大変苛酷な中でお仕事されている現実をしっかりとお示しいただきまして、大変ありがとうございます。これも、資料3-1の長谷川先生の御報告につきまして、皆様から御質問等いただければと思います。いかがでしょうか。せっかくお越しいただいて、御報告いただきましたので、何か意見交換できればと思うところでございます。挙手機能でお知らせいただければと思います。 妹尾委員、お願いします。【妹尾委員】妹尾です。どうぞよろしくお願いします。御報告どうもありがとうございました。 2点ほど教えていただければと思います。1点目は、これだけ本当に多くの教頭先生、副校長先生が非常に苛酷な状況でいらっしゃるということなんですが、それが何に影響するかとか、弊害がどこにあるのかということについて。色々な弊害があると思います。もちろん、教頭先生方の健康面への影響もあると思いますけれども、もう一つ大きいのは、やっぱり人材育成だとか、本来教頭職として頑張らないといけないところに、時間とかエネルギーが割けないという問題があるんじゃないかなと思うんですけども、その辺りを教えてくださいというのが、1点目の質問です。 あと2点目は、教頭職の場合、やっぱり事務作業ですとか、調査だとか、色々なそういった業務負担が重たいとは思うんですけれども、本当に自治体とか学校によって様々なので、一概には言えないとは思うんですけれども、何でこんな業務のままなのかなとか、この業務をもっと減らせるよなとか、この手続、なくてもいいんじゃないかとか思うことって、きっとおありだと思うんですよね。 そういったものを何か、幾つかでもいいので例示を出していただけると、僕らとしては考えやすいんじゃないかなと思いました。その2点についてお願いいたします。【堀田座長】ありがとうございます。 長谷川先生、お願いいたします。【長谷川発表者】ありがとうございます。まず、1つ目の弊害といいますか、こういった状況がどういった形となって、我々の業務に影響を及ぼしているかということではありますが、確かに様々、情報化、色々なものに対応している時間が、やはり先ほども勤務時間だとか、休暇日の取得日数だとかというところに反映しているのは事実なんですけれども、やはり妹尾先生がおっしゃったように、人材育成。 若手の教職員の授業を見に行く、あるいは、教務主任と教育課程について話し合うのですとか、そういったような時間というのがなかなか取れない。取ろうと思うと、やはりもう勤務時間はとっくに過ぎているというような状況がございます。 また、情報化に特化しているわけではないんですけども、やはり、こういったコロナ禍の影響というのは、業務として様々な消毒をするであったりとか、そういったものが、昨年は非常に多くありました。今年はまた、コロナの感染による報告であったりとか、対応であったりとか、そういったところにも非常に多くの時間を費やしているので、これが我々だけがというのはあれですけど、健康を害していいわけではないのですが、それだけではなく、やはり若年層の先生方に寄り添っていくというか、そういったところも、なかなかできない状況で。 例えば飲み会とかもできないような状況ですので、本当に若年層の話を聞いてあげるというような機会も少なくなって、逆に若年層の先生方がちょっと心の病を持ってしまったりとかというケースも出ているのは事実だと思います。そうした時間を、やはり確保したいなという部分もありますし、また、我々、副校長先生は違いますが、教頭職は、授業も週に数時間持っておりますので、やはりそういったものの授業研究であったりとか、そういった時間もやはり必要なのかなというふうには思います。また、そこには、1人1台端末を利用した学習の見通しを持ってやるというような時間も必要なのかなと思います。 2つ目の事務作業なのですけども、私がいるところは、先ほども出ましたけれども、やはり校務支援システムへも文書で依頼が来たり、また、電子メールでも来たり、また、集配サービスといいまして、紙媒体で届いたりということで、三者三様なのです。そういったところで、本来、校務支援システムは、行く行くは電子決裁、そういったもので、やはり紙媒体、ペーパーレス化をしようとかいうような流れもあったかとは思うんですが、それが果たして校務支援システムは入れたけれども、本当にペーパーレス化、電子決裁で押印は要らないとか、そういうのがきちっとできているのかというと、そうでもないのかなと。 そうすると、校務支援システムとして文書をプリントアウトして、プリントアウトしたものを決裁に回して、報告も決裁で回した後に、校務システムで送るとか、あるいは集配サービスで受けるとか、そういうような現状がありますので、何とかその辺を一本化して効率よくできるものが確立していければ、大変ありがたいなというふうな思いはあります。 以上です。【妹尾委員】ありがとうございます。【堀田座長】ありがとうございました。そのほかに、挙手は特にございませんが、よろしいでしょうか。 現状の校務支援システムの多くは、かつて紙で行われていた業務をデジタルにしたものが中心であり、それはそれでその時は便利だったわけですけど、今日のデータ利活用の考え方には十分に対応できていなくて、その結果、紙と共存してしまうこともあり、自治体間でそこら辺の温度差も色々違い、ルールの違いということで、その負担の一番しわ寄せのところが、長谷川先生たちのような教頭先生のところに行ってしまっているのかと思います。 本当にお忙しい中、貴重なお時間いただきまして、今日御報告いただきまして、ありがとうございました。私ども、長谷川先生たちの思いをどうにかよい方向につなげていくように努力してまいりたいと思います。 長谷川先生、ありがとうございました。【長谷川発表者】ありがとうございました。よろしくお願いします。【堀田座長】続きまして、全国公立小中学校事務職員研究会の方々から御発表をお願いいたします。資料3-2でございます。よろしくお願いいたします。【前田発表者】よろしくお願いいたします。全国公立小中学校事務職員研究会副会長の前田です。情報推進部長の大熊とともに発表させていただきます。 まず、この度は、このような発表の機会をいただき、感謝申し上げます。私ども、全事研は、全国の公立小中特別支援学校の事務職員で構成します研究団体です。本ヒアリングでは、今回は事務職員を対象として、令和3年12月6日から15日に行った全国調査を基に業務改善の阻害要因、校務の情報化の有効性、課題、そこに果たす事務職員の役割の4つの観点から意見を述べさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、業務改善の阻害要因について、少し前になりますが、令和元年11月に行いました調査からも、学校における業務改善が進んでいるとの認識は27.3%と、まだまだ改善できていない状況が分かります。今回の調査では、校務が情報化されていないことで、学校の多忙化を招いている業務があるかとの問いに、66.2%があると回答しています。その具体的な業務として、電話での児童生徒の欠席連絡への対応、保護者への紙媒体での便りの配布、業者への現金での支払い、給与明細の配付、出勤簿の押印整理など、昭和の時代から進化していない業務が挙げられています。 また、複数のシステムの連携業務や不具合への対応、添付ファイルの印刷など、業務改善の阻害要因として過渡期であるがゆえの負担につながる業務の増加があり、それが教職員の情報化への抵抗感を生み出している状況が確認できます。 次に、校務の情報化の有効性です。校務の情報化により、負担軽減、または効率化された業務について、76.2%があると回答しています。その具体的な業務として、成績処理をはじめとする指導要録や、通知表の作成業務、学校日誌の電子化などが挙げられています。 更に、教育活動や学校経営の質の向上につながった業務の有無について、53%があると回答しています。その具体的な業務として、教材の共有、タブレット導入による授業の質の向上、授業形式の多様化、効率的かつ迅速なアンケートデータの集計などが挙げられています。校務支援システムによるデータの一元管理により、多様な活用を促すことは、業務改善の面だけではなく、より深い児童生徒理解にもつながり、教育活動の質の向上にも寄与していることが確認でき、その有効性を認めるものであります。 事務職員自身の負担軽減、または効率化につながった業務としては、給与、旅費の電子申請や口座振込、給食費をはじめとする学校徴収金などが挙げられます。 更に、教育の質の向上につながった事務職員の業務としては、教育活動に有効な学校予算や学校徴収金の執行管理、管理システムによる教材備品の有効活用などが挙げられ、カリキュラムマネジメントの推進に有効となる業務となっています。 調査からは、校務支援システムやタブレットの導入に当たって、多くの事務職員が主導する形で力を発揮していることが確認できます。タブレットの整備とともに、効果的な活用における教員への支援や、中には授業づくり支援を行っている事務職員がいることも確認できています。 校務の情報化における課題としては、76.1%があると回答しています。具体的には、教職員のICTリテラシーの不足が挙げられていることから、研修の充実も大事であると考えます。その一方で、ICTに長じた教職員への業務負担の偏りといった課題も生まれています。ICT支援員の効果性は強く認識されていますが、その配置は十分ではないと認識されているようです。ICT支援員には、支援という側面だけではなく、共に授業づくりを行う中で、教員に対してOJT的な機能の側面でも有効であるようです。 情報セキュリティも課題に挙げられていますが、強化の必要性とともに、相反して強化され過ぎたことで、機能の使用に制限がかかってしまっているとの意見もあります。また、多様なネットワークやシステムがそれぞれに独立しており、データの移行を妨げているとも指摘されています。更には、使用している校務支援システムが自治体によって違うため、それに慣れることの負担や、ICT環境の未整備や不具合により、環境的に十分な機能性を発揮できていない様子も伺えます。 課題についてまとめますと、その内容は、ICT環境の課題と教職員のICTリテラシーに大別できました。環境としては、校務系と学習系の情報化を一体的に図っていく必要があると考えています。教職員のICTリテラシーとしましては、正常性バイアスが働いている部分も多くあるのではないかと分析しています。教職員が校務の情報化の必要性を認識することが必要であり、そのため、一様に業務改善推進方策を求めるのではなく、方策の例示とともに、校務の情報化の有効性、必要性といった理念の浸透を強く求めるところであります。 学校徴収金について特に言及させていただきます。学校における働き方改革に関する緊急対策でも、基本的には学校以外が担うべき業務として挙げられていましたが、多くの学校で事務職員が担っている状況にあります。学校徴収金とは、給食費のみを指すものではなく、学年費などと呼ばれる私費会計までも含まれております。そのため、自治体内の全体の学校で一様ではなく、各学校独自の管理システムを開発して行っており、自治体全体での管理システムの導入はまだ進んでおりません。 そのような中、好事例として紹介させていただきますと、鳥取市では、自治体の主導で私費会計までも公会計化が実施され、集金、支払いが全てオンラインで行われています。各学校で独自に開発された学校徴収金管理システムでは、ほかの業務との連携に課題も見られることや、支払いの部分で、ネットバンキングの利用ですとか、あるいは、その際の振込手数料を誰が負担するかなどの課題も見られております。 次に、校務の情報化に果たす事務職員の役割です。事務職員の職務は、事務に「従事する」から、「つかさどる」に見直しが行われました。また、令和2年には、事務職員の標準的な職務の参考例が通知されました。今回の調査からは、これらに伴う事務職員の変化を見ることができました。標準的職務通知の別表第2に示された業務についても、多くの取組を確認できました。 例えば、学校の組織運営に関することでは、業務改善の取組が多く確認できました。また、地教行法の改正による共同学校事務室法制化の観点からも、調査のクロス集計では、共同学校事務室への所属とリーダーであるか否かによって、様々な相関傾向を見ることができました。こちらは、共同学校事務室の設置が事務職員の意識へ確実に影響を与えることを示しています。 これまで、相互確認などの事務処理に限定されているという課題も挙げられていた共同実施から、意識の高揚ですとか、人材育成をも担う組織へと変革を遂げているものと考えます。 最後になりますが、校務の情報化により、事務職員の業務も確実に省力化されています。そこで生み出された時間を活用することで、学校評価の集計・分析、教材評価・選定、学籍関係、学校運営協議会への参画、地域ボランティアとの連絡調整などの業務ですとか、学校経営に係るマネジメントを新たに担う者が増加していることも確認できていることから、今後、より一層の校務の情報化の推進を期待するところです。 以上、校務の情報化に向けた現状と課題について示させていただきました。本会議では、法改正などの国民の期待に応え、チーム学校の一員として校務の情報化を推進し、これまで以上に子供の豊かな育ちを支えてまいりたいと思います。 以上となります。ありがとうございました。【堀田座長】前田副会長、ありがとうございました。それでは、この御発表につきまして、御質問等ございましたら、委員の皆様から挙手でお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。特にございませんか。 妹尾委員、お願いします。どうぞ。【妹尾委員】度々すみません。前田さん、御報告どうもありがとうございます。1つ質問があります。最後のページのあたりにもあったと思うんですけれども、まさに今、学校事務職員さんに期待されることは高くなっているという点はいい点だとは思うんですけれども、その分、学校事務職員の多忙化なり負担増というのも、かなりの学校で起こっているんじゃないかなと思います。 先ほどの報告にもリンクしますけれども、やっぱり教頭職が忙し過ぎるということとか、あと個々の教員がやっぱり色々な会計事務とかをやるのは非効率だし、負担感も重たいということで、事務職員さん、やってよというところですとか、あるいは経営参画してよということで、まさに事務職員の仕事がビルド・アンド・ビルドでどんどん積み重なっているという実情があるんじゃないかなと。 教員勤務実態調査はあくまでも教員の実態調査なんで、事務職員の実態調査というのはほとんど行われていないと、そんな問題も、これは半分、文科省さんに文句を言っていることなんですけども、あるのかなと思っています。 ちょっとその辺りで、少し事務職員さんの業務が増えているんじゃないかとか、事務職員の負担軽減はどこに行ったのかというところについて、御実感ですとか、実情を教えていただきたいというところが質問です。 ちょっとそれに関連しますけれども、一部の自治体では、例えば諸手当の認定事務は各学校ではやらずに、教育委員会で一元的にやるだとか、総務事務センターで実質的にアウトソーシングみたいな形でやっているだとかして、学校事務職員の負担軽減も一部は進めているという動きがあります。 そういったことについても、併せて研究していただけるといいんじゃないかなと思います。いかがでしょうか。【堀田座長】前田先生、お願いします。【前田発表者】御質問、どうもありがとうございます。事務職員の多忙化、まさに課題なのかなと思っております。解決策の1つとしましては、やはり共同実施、共同学校事務室の活用というところが挙げられるかと思います。共同学校事務室で校務の整理を行い、マニュアル化等により省力化できる部分も、今後多分に増えていくのではないかなと思います。 併せて、校務の情報化というところで、給与・諸手当の認定はもちろん大事なところではありますが、報告といったようなところでは、この後、省力化されていくのかなと思っております。また、共同学校事務室を活用しました事務職員の人材育成というところで、多機能化を図っていくことも可能なのかなと思っております。 また、例えば文科省さんから配置されておりますSSS(スクール・サポート・スタッフ)さんなどに電話の受付ですとかいう部分、担っていただくことも可能なのかなと思っております。事務職員の仕事のスリム化を図ることによって、今後より一層、マネジメント業務の方に力点を移していければと考えております。 以上でお答えになっているでしょうか。【妹尾委員】ありがとうございます。【堀田座長】ありがとうございました。中村めぐみ委員、お願いします。【中村(め)委員】では、ありがとうございました。私は、1自治体の環境整備担当として参加させていただいております。事務の先生方の整備につきましては、私どもも重要視しているところです。 そこで1点お伺いいたします。先ほどの教頭会でも、やはり財務会計、学校会計の負担が大きいとなっておりました。やはり、こちらについてはオンラインバンキング化することが1つの手立てになると考えているんですが、これについては、私がちょっと研修会でアンケートをとったところ、70%程度はまだまだ進んでいないというような回答がありました。オンラインバンキングが進まない阻害要因はどのようにお考えになっていますでしょうか。教えていただけると助かります。【堀田座長】お願いいたします。【大熊発表者】では、私、大熊の方からお答えさせていただきます。1つが、セキュリティの問題がまず、あります。それと、契約料であるとか、手数料のあたりの財源の問題で、どこが負担するのかというところがはっきりせず、進んでいない状況があろうかというふうに思っております。 以上です。【堀田座長】ありがとうございました。事務職員の方々は、学校においては大変重要な裏方として、きちっと動いていただいている方々でございまして、御報告の中で、私が印象的だったのは、やっぱりかつての慣習のところが負担になっているということですね。あるいは、紙がまだいっぱい残っているということがまた負担になっているということかと思いますので、これはデジタル化、どんどん進めることが大事かというふうに私は思ったところでございます。 また、先ほどの教頭先生の御負担が多いということが、実は事務職員の方に、それが行っているかもしれないということも、私たちは見逃してはならないことかと思います。チーム学校の時代ですから、一緒にどうやって総力戦としてやっていくかということを考えた情報化を進めていく必要があろうかと思いました。 大変ありがとうございました。 では、ここまでといたしまして、続きまして、これまでの色々な御発表等を含めまして、委員の皆様のそれぞれのお立場から御意見をいただければと思うところです。残り時間を全てこれに使うという予定でございます。ただ、今日、御出席の委員は17人いらっしゃいますので、1人2分過ぎてもちょっと、3分でも大丈夫です。どうしてもという人は3分でも大丈夫です。この会議の性質からいって、僕らの会議が時間に終わらないというのは、やっぱりよくないと思うので、皆さん、大人の御配慮をお願いいたしたいというふうに思うところです。 色々なお立場はあると思いますので、それぞれのお立場を生かした御発言を期待するところでございます。なお、恐縮ですけども、皆様におかれましては、御発言時のみマイクを、ミュートを解除いただいて、御発言後はまたミュートにしていただくという御協力をお願いいたしたいと思います。 御発言の順番は、あいうえお順とさせていただきたいと思いますので、一番最初は石井先生になります。一番最後に、山口先生にお願いしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、石井委員からお話をお願いいたしたいと思います。どうぞ。【石井委員】八戸市教育委員会総合教育センターの石井一二三と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私、通常は、校務の情報化と、後はGIGAスクール構想の整備、計画、そして購入、そして活用、研修まで、全てオールインワンのパッケージで日常の業務を行っております。 本日のこの会議の内容について、こちら全て本市の導入等から行っておりますので、非常に、自治体の代表としてお話しするには大変いい機会をいただいたなと思っております。 現状ですけれども、これまで校務の情報化の、校務で作ったデータというのは、絶対に外には出してはいけない。絶対守らなければいけない。命より大事ぐらいのものとして、委員会としては管理を行ってまいりました。ただ、今度、GIGAスクール構想が始まったことで、今度はクラウド利用というのががんがん進んできました。このときに、守ることというのも大事だけれども、共有したり、そして便利に活用していくということも非常に大事だと、両方の視点を、今私たち、研究しているところであります。 大事なことは、校務の情報がやっぱり漏れてはいけないということで、そちらのセキュリティ対策をしっかりしながら、クラウド上で、学習系と、校務系がやり取りしていくような、そういう活用ができればいいのではないかなと思っております。今回、このような会でお話しさせていただくことで、やはり先生方が一番大事にしていかなきゃいけない、子供たちと向き合う時間、その確保のために校務とGIGA、うまく連動させていきながら、活用する道筋、そして、それがどうあればいいのかという国の方針というところを考えていければいいのかなと思っております。 今日の御発表も大変丁寧な説明、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。【堀田座長】石井委員、ありがとうございました。 続きまして、石田委員、お願いいたします。【石田委員】初めまして、株式会社東京個別指導学院渉外部の石田と申します。経団連の教育・大学改革委員会の企画部会の委員を務めております。この度は、経団連の推薦を受けまして、当会議の委員に就任いたしました。 校務の情報化に関わる教員の皆様の業務負担を減らすことで、日本の未来を担う児童生徒と向き合う時間を増やすことができます。これは未来への投資につながるものではないかなと、私自身も感じております。 一方で、OECDの調査でも、教員の皆様は世界一多忙であると太鼓判を押されていらっしゃいます。日本の教員の皆様のために、産業界の末席からではございますが、この会議に出席させていただくことによって、尽力を申し上げたいと思っております。働き方改革、そして、データ活用によるビジネス分析、業務化、業務研修、そういったものにも、私も微力ではございますが、皆様と一緒に考えていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、井上委員、先ほどは挙手があったのに、すみませんでした。どうぞお願いいたします。【井上委員】皆さん、こんにちは。JMCの井上と申します。よろしくお願いいたします。 私は、APPLICという団体で、今話題になっております統合型校務支援システムの標準化に取り組んでおります。データ連携標準仕様を作っており、そのリーダーをさせていただいております。その関係で、先ほど挙手させていただいたのは、学校徴収金がなぜ進まないかという話をすると、10年ほど前全銀協と話をしたことがあるんですが、学校とオンラインをつなぐことは全く考えておりませんと。要はまずオンラインでつなげないので、難しいという話です。 ですから、そこら辺は国の方でもう少し動いていただいて、ちゃんとそういうところと連携がとれるような形を。学校独自でやるべきことではなくて、教育委員会がやるべきことではなくて、国として、義務教育のお金はこういうふうにするんだという話をしていただくべきだというふうに考えておりましたので、先ほどそれをちょっと発言させていただこうと思って、手を挙げた次第でございます。 それと、先ほどの御説明の中であった、まだ押印が残っている事務処理の話がありましたけれども、せっかく校務支援システムを入れるのに、実は多くのところがルールを変えていないんです。今までの紙のルールがそのままなんです。こういうシステムを入れるんだったら、ルール改善すべきなんです。書類を無くして、押印を無くしてというふうにすべきなんだけれども、それがなされていない。 また、実は法律も本当は変えていただかなきゃいけないことがいっぱいあります。我々、標準化するところで最初にやったのは、転校したときに書類を持っていかなくても済むようにしましょうということで、実は始めたわけです。ですから、指導要録と健康診断票をベースに始めたんですが、いざ電子化を始めると、大きな問題があります。 どういうことかといいますと、指導要録は、転校するときに持っていくのは写しでいいんです。写しでいいから、コピーを持っていけばいいわけですから、電子データとしてもコピーを持っていけるわけです。ところが、健康診断票は法律では原本を持って行くことになっているんです。原本となった途端に、電子データは何が原本なのと。結局紙で行くしかないんです。紙の健康診断票で行くしかないんです。 これはやっぱり法律を変えていただいて、どちらも電子データでいいというような形、また、原本と認めても、持っていくのはコピーでいいというような形にしていただかないと、なかなかうまくいかない。私どもは、文科省さんの教育課程課教育課程企画室と話をして、指導要録は電子データを原本としても構わないという内々の了解はいただいております。 ところが、健康教育・食育課さんの方に行くと、原本を持っていかなきゃいけないので、原本の電子データというのはなかなか認められないわけです。文科省さんの中でも、なかなか統一できていない。 私自身は、大学入試改革にも関わっておりまして、大学入試改革の委員もさせていただいたりしているんですけども、調査書を電子化しましょうという話で進みました。ところが、それは大学入試室がやっていらっしゃる委員会なので、せっかく調査書を電子化するのであれば、専門学校に行くときとか、そういうところの調査書も全部電子化しましょうよと言ったら、この委員会は大学入試のことだけなので、ほかはここでは検討しませんと、はっきり言われてしまいました。せっかく電子化するんだったら、それは文科省さんの縦割り業務としてはそうかもしれないけれども、横でやっていただけたらありがたいなというふうに思っております。 これは校務を変えるという話なんですけども、文科省の中の体制も併せて変えていただいて、前の方に進めたらいいなと、ここで話をさせていただけたらいいなというふうに思っております。 私どもは以上でございます。ありがとうございました。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、今井委員、お願いいたします。【今井委員】岐阜大学の今井と申します。よろしくお願いいたします。私は、ローカルな事例として、岐阜県の統合型校務支援システムのデータの標準化に関する検討を行う際に協力させていただき、今、井上委員がおっしゃったところ(ルールのこと)について、何とかならないものかと考えました。 本日の2件の発表を伺いながら、どのデータを共有すべきか、更にその共有すべきデータに関わる様々なことも総合的に考えていかないと、せっかくの良いツールも、悪いツールになり得るなということをすごく感じました。 また、データについてだけでなく、そのデータを使用する場面を想定した標準化もしっかり行う必要があると感じました。これは、私も教育委員会レベルではなく、国レベルでも行っていかなければならないと思います。例えば、私の現在の研究対象の一つである日本語指導を必要とする児童生徒の場合は、移動する子が多い。そういう子の対応とかを考えたときにも、やはり県レベルで独自にやるよりも、国全体で標準化をしっかりと行い、どのデータを守って、どのデータを共有していくのかを、考えていくことがとても重要だなということを常々考えておりましたので、何とかこちらの委員として、微力ながら色々考えられればいいなと思っております。 皆さん、よろしくお願いいたします。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、清野委員、お願いいたします。【清野委員】皆様、こんにちは。全日本中学校長会総務副部長、東京都足立区立東綾瀬中学校校長、清野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、学校現場を預かります校長として、少々意見を述べさせていただきます。まずは、この会議の冒頭、文科省の御担当の方から御説明がありまして、この会議においては、校務系、そして学習系ネットワークの連携が1つの大きな課題だというお話をいただきましたことに、大変大きな期待と心強い思いを抱いた次第でございます。ありがとうございます。 この連携を進めていく中で、私、校長として一番問題意識を持っておりますのは、やはり個人情報の管理という問題でございます。クラウド上で取り扱うことのできる業務の範囲、あるいは個人情報の範囲、この辺を是非整理していく必要があるのかなというふうに考えております。 例えば、出欠の管理、保護者からの出欠連絡というようなお話もありましたけれども、その中で保護者、児童生徒の名前、あるいは出席番号やクラスもあるのかもしれませんが、そういったものも個人情報であるということでありますので、その辺の取扱い、自治体によって色々解釈があるというようなことも伺っておりますので、その辺の整理ができればなという思いを致しております。 また、家庭での先生たち、働き方改革に伴う家庭での業務、その際の個人情報の管理といったようなことにも、非常に私、今、思いを致しているところでございます。まさに、ちょっと卑近な話でございますけれども、小さなお子さんを抱え、保育園に、それこそ勤務時間が終わったら、すぐに駆けつけてお迎えに行かなきゃいけない。そういった年代の、まさに脂が乗り切りかけたというんでしょうか、脂の乗り切った先生方が安心して仕事に取り組めるような、そういった環境をつくるために、やはり家庭で仕事もできるという、そういう条件整備というのは、1つ、非常に大きいのかなと思います。 ただ、その中で個人情報をしっかり守っていく。それが、校長の指導や教職員の意識の向上によって担保されるのは当然なんですけれども、それとともに、システムの整備の中で、物理的にという言葉がいいんでしょうか、担保できるというような形ができないのかなと。そういったことが少し工夫されていくと、校長としても、この働き方改革を更に推進していけるのかなと、自信を持って先生たちを後押しできるのかなというような思いをいたしているところでございます。 少々雑駁な意見にはなりましたけれども、そういったところを是非皆様方からも色々お知恵をいただければと思っております。 以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、小﨑委員、お願いいたします。【小﨑委員】皆様、初めまして、奈良教育大学教職大学院の小﨑と申します。よろしくお願いいたします。今日、2つの発表がありましたので、その感想と自分の思いも含めてお話しさせていただこうと思います。 長谷川会長の教頭先生を対象としたアンケートに基づいたデータですが、奈良県でここ数年やっている働き方調査の教頭先生の回答とほぼ同じです。なので、個別の実情はあるにせよ、多分、本当に全国同じなんだろうなと感じます。ただ、奈良県の場合、平成30年、令和元年と教頭先生の仕事時間が減ったんです。それは、統合型校務支援システムを入れたことで、その瞬間は事務処理時間が縮減されたということであって、これから減っていくといいですよねと話していたところに新型コロナが来たので、その後の追跡調査そのものが成り立っていません。これから議論を喚起するには、こういうデータを継続的に把握していくのがすごく大事かなと思います。 その教頭先生の調査の中で見えたことですが、仕事をどれだけ時間がかかっているということを測ってみるのも大事なんだけれども、実は、時間はかかってしまうけれども、もっと時間をかけてやりたいこともあるし、かけている時間は少ないけれど、ものすごく嫌なんだと、これはなくてもいいと思っているんだといういわゆる負担感というところに注目すべきなんだなということが調査からわかりました。そういうことも踏まえて、単なる仕事量だけじゃなくて、質的な負担感というのも見えるようになればいいなと思いました。 前田様の事務職員の立場でのお話も、先生の仕事が偏っているとか、教員の知識や意欲がちょっと足りていないように思うとか、教員自身も思っていることがそのままストレートに出てきていました。ただ、それらの課題をよく考えてみますと、別に最近のデジタル化とかGIGAスクール構想とかに関係なく、私が新任の頃からずっと言われていることばかりで、仕事は人に偏っているよとか、当時、給料は現金支給だったので、それを銀行振込みにするときにとてももめていた記憶があります。現金で欲しいという先生と、振込が安全だと、そうなると事務負担はどうなるんだということなどの議論があったことを考えると、もしかすると、よくよく考えてみたら、教頭先生の話題も、事務の話題も、そんなに新しいということじゃなくて、そもそも今までの教員の働き方が抱えている課題が多いのではないかなと思いますので、その辺が整理できたらいいかなと感じています。 以上です。【堀田座長】続きまして、執行委員、お願いいたします。【執行委員】よろしくお願いいたします。私、大田区立入新井第一小学校の校長で、全国の連合小学校長会の調査研究の方の担当をしております、執行と申します。よろしくお願いいたします。 先ほど、教頭会、それから事務職員会の方からの報告がありましたが、私も全国の小学校の校長会の調査研究の中で、国民の信託に応える小学校教育の在り方ということで調査をしておるところです。 今年度も、全ての小学校の中から4%抽出して、全国から700件近くの小学校の校長からのアンケート調査をいたしました。その調査結果の中で、やはり学校運営において特に重視していかなければならないことという質問項目の第1位に掲げられたのが、教員の多忙解消のための校務改善の取組ということで、昨年度は63%、今年も58%の学校が、これを最も重視すべき課題だというふうに答えていただきました。 まさに、本日、この会議が発足されまして、取り組もうとしていることが、全国の校長会の中でも課題意識として非常にあるということが、この調査結果からも分かったというところです。 そして、改めて、先ほど来、システムの校務系と学習系の連携についての課題がございました。単純に、私は校長なので、毎朝、教職員の動きというのを見ているんですけれども、教員というのは、例えば小学校ですと8時15分からが勤務なんですが、既に8時15分には教室に入り、ずっと授業をしている。そして、専科の教員などがいる場合に、1時間ほどの空き時間はありますけども、それ以外はほとんど、8時15分から3時まで教室にいて、子供たちと対面しながら授業をしているというのがほとんどの時間です。 性質上、東京都の場合は、休憩の時間というのが、3時45分から4時半ということで取ってはいるんですけれども、そこの間のところに個人面談だったり、保護者との対応だったりということで、先ほど来、お話の出ている、じゃ、実際にこのPCの端末を開いて、校務の仕事をしようとする時間がどのぐらいの時間になるかというと、3時半とか4時から、やっと端末を開いてメールチェックをしたりですとか、副校長だったり、校長からの色々な依頼文書を開けて、そこから事務処理をしているという状況にあります。 それが終わってから、今度授業の準備ということになるので、当然、時間的にPCを扱っている時間もそもそも少ない。それに加えて、なおかつ子供たち1人1台配られている端末の利用状況ですとか、家庭に出した宿題の状況を確認したりとかすれば、当然時間が幾らあっても足りないという状況は、私も側に見ながら感じるところです。 ただ、1つ言えるのは、やはり端末が幾つもある。先ほど教頭会のお話の報告でもありましたけども、幾つもの端末があることによって、データの移行の煩雑さですとか、それから子供の利用状況の管理を、結局は校務の方でもう一回データを移行しながら、成績処理をしているとか、そういうところが少しでも削減できていくことであれば、非常にこのことについては改善すべきところはあるのかなと思って聞いていたところです。 それから、また、先ほど来、個人情報の管理の話もありましたけれども、やはり、保護者の方からも、子供のそういったデータをどこで管理するのかというところで、個人情報の管理については非常に心配されている保護者もいたり、また、管理職でも、やはり服務の管理監督上、どういうふうに教員がそれを扱っているかということは非常に目を光らせていなければならないといいますか、やっぱり管理していかなければならないというところもあります。その辺がどこまでクリアできるのかというところが、大きな課題かなというふうに思っているところです。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。【堀田座長】ありがとうございました。 では、妹尾委員、お願いいたします。【妹尾委員】妹尾です。改めまして、どうぞよろしくお願いします。僕は色々な学校現場を回ったりとか、研修等をさせていただいています。今日もこの後、ある中学校に行ってきます。得意なテーマは、学校の組織マネジメントですとか、業務改善ですとか、チーム作りだとか、色々なことをやっています。 時間もないので2点だけ、この会議に期待することとか、やりたいことを申し上げたいと思います。1つは、もちろん教職員の負担軽減も大事なんですけれども、単なる情報化とか、単なる電子化による負担軽減にとどまらないことをもっと議論するべきかなと思っています。 例えば、先ほどの例で言うと、就学援助の業務が電子化されました、便利になりましたと。それはいいことなんですけれども、それだけじゃなくて、多分ほかのシステムともっと連携すると、申請していない方がどれぐらいいらっしゃるのか、本来は受給できるんだけどとか、そういったものが分かったりとか、あるいは貧困家庭なり、厳しい家庭が学習状況がどうなのかみたいなことが、より分析できたりとかすると思うので、そういった色々なシステムとか、情報を連携することで、教育の質を上げていくということをもっともっと扱うべきではないかなと思っているのが、1点目です。 あと2点目は、これは可能な範囲で是非やっていただきたいんですけども、実態把握とか事実確認を重視した審議をお願いしたいなと思っています。そういう意味では、今日のヒアリングもすごくよかったと思います。御案内のとおりですけれども、情報化とか校務のやり方というのは、地方自治のよさでもあるんですけども、各自治体によってばらばらです。実態が本当に様々で、色々なことが電子化されているものもあれば、していないものもあったりとか、役割分担もそれぞれです。 なので、本当にどんな業務が負担になっているのかとか、どんな業務が非効率なのかというのが、実態把握があまりできていない中で議論すると、ちょっと危ないかなと思っています。あまり調査を増やすと、また教頭先生方が大変になるので、それはそれで問題なんですけど、とはいえ、実態把握が甘い中で審議しても、上滑りしちゃうというところがあると思いますので、何らかの方法で、もっと実態把握を試みてほしいなと思っています。 あるいは、これはちょっと偏った声にはなるかもしれませんけれども、こんな業務は要らないよとか、こんな手続き、もっと効率化できるよみたいなアイデアを、現場からもっともっと、現場というのは、教育行政の現場と、各学校現場から、どんどん教職員の声等を上げていただくような試みなんかもしてみてもいいんじゃないかなと思っております。 是非、色々な幅広い審議をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。【堀田座長】ありがとうございました。 髙橋邦夫委員は、今日は御欠席でございます。続きまして、高橋純委員、お願いいたします。【高橋(純)座長代理】皆さん、こんにちは、東京学芸大学の高橋です。よろしくお願いいたします。 私から、コメントをさせていただきたいと思います。こういう校務の情報化の委員会というのは、私も都道府県とかの委員会などに出席したことがあるんですけども、毎回、いつも国や都道府県で統一したシステムをつくってくれればいいのにというようなことが話題になったりするわけですが、実際にやってみると、何から手を付けていいのかとか、各論で色々な課題とか、地域の要望とか、色々あるなと感じております。 いわゆる統合型の校務支援システムだけで教員の業務全てがフォローできるのかといったら、そうでもないなと感じるところもあります。そうした整理を、本会議で改めてしていくんだなというふうに感じています。 もう一つは、地域差ということで考えれば、とにかく色々なものをデジタル化していかなければいけないような地域もありますし、デジタル化はできているんだけど、質を考えなきゃいけないよなと。先ほどのPCが何台もあるというようなお話は、結局デジタル化はできているけど、質が低いデジタル化なんだろうなと。高い質のデジタル化というのが何なのかということを、やはり共通認識していかなきゃいけないんだなと思っています。 多分、作業自体が、デジタル化は少なくとも分散で、情報共有を前提とした、作業の仕方になると思いますので、結局は仕事の仕方の流れそのものが変わっていく。判子を順番に押していくんじゃなくて、例えば全員一遍に判子を押せる。そんなふうにして考えたら、そもそも判子が要るのかとか、そういうふうにして、その仕事全体が変わっていくんだという感覚を持ちながら、デジタル化の質を考えながら進めていくのかな、なんていうふうに思っています。この後の審議、非常に楽しみにしております。 以上です。【堀田座長】ありがとうございました。 続いて、鶴田委員、お願いいたします。【鶴田委員】失礼いたします。私、長崎県教育庁義務教育課の鶴田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。長崎県では、統合型の校務支援システムを共同調達し、導入を推進しているところです。私が今感じていることを2点、お話しさせてください。 まず1点目です。統合型校務支援システムを導入して、先生方が働きやすくなるようにということで考えているんですけども、一様に進まないことで、逆に負担が増える部分というのがあると感じています。例えば、統合型校務支援システムを全ての学校に一斉に入れることができれば、子供たちの市町をまたぐ移動の際に電子上でやり取りができますが、現状は、紙とデジタルが混在していて全てがそのように実現しておらず、非常に今、過渡期にあると感じています。例えば、ある自治体では全部が電子を正としたにしても、それまでは紙で運用をしていたので、自治体の中でも、学年によって紙とデジタルが混在をしている。それがまた自治体間を移動すると、色々なパターンが出てきて、全てが電子ではなかなか進みづらいという、難しさというのを感じています。 それから、もう一つが、今のこの会議の演題でもありますけど、GIGAスクール構想下での今後の情報の在り方ということで申しますと、統合型校務支援システムは、純粋に成績を処理するというだけでなくて、グループウェアの機能であったり、掲示板の機能であったり様々な機能があります。一方、GIGAスクール構想で、様々な事業者が入れてくださった無償のツールの中に、同じような機能、働きを持ったものもあって、それがクラウド上でアクセスができます。 そのことにより、例えばカレンダー機能に関しても、校務系のネットワークで運用している校務支援システムのものはクラウドからはアクセスはできないけれども、学習系で導入されたクラウド上のツールであれば、スマホからでも見れて利便性が高まると。そのように考えていくと、本当に閉じなくちゃいけないものを整理して、クラウドで使いやすい形で整理していくというのも1つの方法なのかなというふうに感じているところでございました。 私からは以上でございます。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、中村めぐみ委員、お願いいたします。【中村(め)委員】つくば市教育委員会、情報担当をしております中村と申します。本日はありがとうございました。私は、自治体の教育の情報化の環境整備という職務を担っているんですが、その中でGIGAスクール構想と校務支援システム、どちらも環境設計に携わっております。これらを通して感じていることなんですが、やはり校務の情報化、もしくは教育の情報化といったものは、全体を俯瞰的に見て設計していかなくてはいけないんだなというのを、とても感じるところです。 具体的に言うならば、例えば私はGIGAの設計もしているんですけれども、先ほどの事務の先生方のお声から、先生方の校務との連携というものが今課題なんですという声が上がってきたときに、じゃ、GIGAスクール構想の中で出たアカウントでつながることができるんじゃないですかとお伝えしたところ、自治体によっては、事務の先生や、図書館司書の先生たちにはアカウントが配付されていない実態があるというのを、初めて知りました。 つまり、ここはGIGAスクール構想の中において、教員と児童生徒のみにスポットライトが当たった整備をしてしまったことによる、見落としだったんだと思います。そういった部分に関しては、やはり標準仕様として、このGIGAスクール構想を下ろすときに、例えば全体構想図が描いてあるのであれば、将来的にこういうふうになっていくので、アカウントについてはここまで用意しておきましょうとか。 どうしても、私たち指導主事というのはそこまで見えないときがあります。目の前のことしか分からないときもありますので、そういったアドバイスというものをいただけると、ああ、そこまで用意すると、次ここにつながるんだな、拡張できるんだなというふうに感じることができるので、この場に呼んでいただいた役割としては、そういったところにアドバイスできるようなところが体系化できるといいなと、自分の役割としては思っております。 もう一つです。最後に、先ほど、私もそうなんですが、校務支援システムとGIGAスクール構想、教育用ネットワークというものの連携というもの、実はつくば市もこちらについては、目指しているけれども、今、二の足を踏んでいます。つくば市でも二の足を踏む理由としては、まだまだ校務の情報というものが機密性の高い情報であるという不安感から、どこまで教育系とつなげていいか、そこに関する法的な整備、そういったものがまだまだ描き切れていないので、踏み込めていないというのが、私たちの実態になっています。そこも、自分たちの実態をもって、是非この会議に参加できればと思っております。 長くなりました。以上です。【堀田座長】ありがとうございます。 それでは、中村義和委員、お願いいたします。【中村(義)委員】皆様、お世話になっております。ICT CONNECT 21の中村でございます。よろしくお願いいたします。教頭会、事務職員研究会の発表いただき、ありがとうございます。日頃の活動にも役立てていきたいと思います。 ICT CONNECT 21は、ICTを活用して教育をよりよくしていこうという人たちが集まる場、それから、教育の情報化の進展に寄与して活動する団体でございます。本日、出席の多くの委員の方のお力もお借りしておりまして、この場をお借りしまして、御礼申し上げます。主な情報化に関連した活動トピックスとして、本日御紹介したいと思います。 委員の藤村先生にもリードをいただいております、本団体の校務系・学習系・連携サブワーキングというのがございますが、こちらでは校務支援システム企業の多くの方が参加して、いかに教育系のシステムと連携していくかということの御議論をさせていただいております。 また、副校長、教頭の長時間勤務、学校多忙化のお話がございましたけれども、働き方改革のSIGという形で御議論をさせていただいております。創造性だとか、躍動性の観点から、働き方改革をどう有効に働きかけることができるかといった議論もさせていただいております。 また、学校と家庭の連携も大切というお話もございましたが、この先生とPTA、ここの関係、例えば今回事例としまして、情報リテラシーをどう分担していくかなんていうようなことから、先生とPTAが一緒に御議論して、それを解決していこうなんていうセミナーも、近々、開催したいと思っております。 こういった活動を通しまして、また、本会議の審議を通して、校務の情報化を推し進めていきたいなというふうに思っております。 私からは以上でございます。ありがとうございます。【堀田座長】ありがとうございました。 続いて、福原委員、お願いいたします。【福原委員】皆さん、こんにちは。田園調布高校の校長の福原と申します。この3月までは副校長として勤務をしていましたので、副校長先生方の非常に多忙な日々のことはよく分かっております。この会議に私が期待することは、やっぱり大きな理想というか、学校が、一つ一つの細かい課題はあるとは思うんですが、この会議で、日本の未来というか、学校が将来こういうふうになってほしいというようなことをみんなで共有できて、少しでもそういう方向性が出せて、各県、各自治体がつながっていってくれるといいのかなというふうに思っています。 便利になると、便利になった分だけ調査が増えたなって私は感じます。本当に必要な調査なのかどうかとか、そういうようなところ。 後は、もう一つ、私は、教科情報というものをずっと教えていたんですが、やはりそういう専門家の先生に負担がかかるというのは現実としてあると思っています。そこの部分も、やはり専門家じゃなければできない仕組みではなくて、みんなができる、みんなでやる。オールジャパンで、もちろん、文科省の話だけじゃなくて、日本のデジタル庁とか、色々な人たちがこの国の仕組みをよくしていくというところで、理想を述べられたらいいのかなと思っています。 もう一つは、校務と学習のそこをコラボするという話ですが、更に、いや、私は高校ですけども、小学校、中学校、高校で色々なものがデータがつながってくると、個別最適化した学びとか、色々なことができると思います。いっぱいできることをみんなで話をして、すぐにはできないかもしれませんけど、そういったお話ができる場になることを願っています。 ありがとうございました。【堀田座長】ありがとうございました。 続きまして、藤村委員、お願いいたします。【藤村委員】皆さん、こんにちは。鳴門教育大学大学院の藤村と申します。私は、これまで長い間、校務の情報化等について研究して参りまして、世界各国の校務の情報化等も調査してまいりました。現在は、徳島県にて日本で唯一、全ての自治体が同一システムを共同調達し終わっているというところで、色々助言しながらやっております。 今日、議論に上がったことのほとんどは、実は韓国では20年前に既に実現済みなんです。なので、できないことはない。技術的にどうしたらいいかとか、それから制度をどうしたらいいかとか、そういったものは既に分かっています。ですから、今後はその辺、明らかにしつつ、成果を生かしながら、政策誘導をどうしていくのかということも議論できたらいいかなと思っています。 そこで、私は3点お話しさせていただきたいと思います。1つは、妹尾委員もおっしゃっていたように、負担軽減だけだと、県費職員を楽にするために、どうして市町村が金を出さなきゃいけないのかという議論がございます。これは非常にナンセンスですので、それを説得できるためにも、教育の質的改善のためにチーム学校で連携すれば、こういういいことができると。それから、教員同士がノウハウを共有するだとか、様々なメリットを出しつつ、また、安全も守れるんですよ、個人情報もちゃんと守れるんです、みたいなことを言うべきだと思っています。 2点目です。そのために、校務系、学習系という区分の発想をやめることだと思っています。先ほどから話が出ているように、校務系、学習系。学習系は、子供を主役としたときフロントエンドで、校務系はそのバックエンドだから、それらを情報連携させて有効活用しながら、教員が楽していい指導ができるということを実現すべきだと思っています。 そのためには、全体最適と、標準化と、ゼロトラストによるセキュリティが必要です。つまり、インターネット一本で安全にできます、家庭からも仕事はできます、みたいなものを是非やっていただきたいと思っています。 3点目です。せっかくGIGAスクール端末が入り、クラウドを利用できるということなんですから、それを生かさない手はないと思います。今、実際には職員室から校務系にしかつながっていないので、教室でせっかく出席をとっても、健康記録を子供に入力させても、職員室に来て手入力しているというナンセンスなことがあります。それを、本当にクラウド環境でやって、テレワークも家からできる、安全に、USBなんか持ち帰らなくていいと。 職員室の書類も全部電子化されて、韓国はファイル棚ってないんですよ。日本は職員室、ファイルで、紙であふれていますが、そういうのも改善してほしいと思いますし、災害対応にもなるんだという視点も大事だと思っております。 是非その点を考えて、クラウド環境を是非生かしていただきたいと思います。 私からは以上です。【堀田座長】ありがとうございました。 では、水谷委員、お願いいたします。【水谷委員】愛知県春日井市立高森台中学校の校長をしております、水谷といいます。どうぞよろしくお願いいたします。現在は中学校の校長ですが、その前は小学校の校長もしておりました。以前は、市教委でICTの担当、現在は市の全体のICT整備計画や研修計画立案もやりながら、校長会へもつなぐということで、本日、御参加の皆さんのそれぞれの仕事を少しずつみんな、担当しているといった感じです。 春日井市は20年前から、教育情報の共有を狙って、当時、校務の情報化という言葉がない時代から取り組んできました。なぜそのようなことをしたかというと、授業でICTを活用するには、先生たちが便利と思わないと進まないよという助言があり、まずは、先生たちが便利と思うようにと、ICTを活用した業務改善をずっとしてきました。そのようなことをしてきましたので、最初の石井委員の話がありましたが、データを守るというよりも、データを使うという意識がこの20年間ですごくできていたので、クラウドが入ってきても、すっと活用が進んだように思います。 ただ、校務のデータといっても、先ほど鶴田委員からもお話がありましたが、色々なものがあって、どれを守るべきものか、本当に校務支援システムの中できちんと守っていくものは何で、この辺りまでだったらクラウド活用でいいという、その辺りの線引きをやっぱりはっきりさせていくことが重要かということを思っています。 本市の場合は、色々チャレンジをしながら、このぐらいまではいいだろうということで、取り組んできました。昨年度の臨時休業の時に在宅勤務が始まって、現行の校務支援システムが家庭から使えないということで、クラウドサービスを使って、在宅勤務の者、そして校内でもばらばらの場所にいる者が、クラウドサービスを使えば、こんな便利に情報共有できるということを体験したことが、結局授業に生きていて、子供たちの学びの変化も起きたということです。このように、ずっと先生たちが便利になるということをやりながら、データを使ってきたことが、今のGIGAの色々なところにいい影響を与えていると思っています。特に日常の連絡ぐらいであれば、もうビジネスチャットで十分で、本市は、本日終業式で、色々終わって相談事がこの会議をやっている間にビジネスチャットで届いています。終わったらこれについて、返事をしてくださいとか。 そんなような感じで、変えられるものはいっぱいあるのではないかなということを思います。ただ、まだまだ紙のものが残っているので、これを今やれるものを1つずつ潰しながらやっていき、その事例を提供するのが自分の役目かと思っております。 先ほどの「StuDX Style」の事例にも幾つか出させていただいています。ちょっと危なっかしいところもありますが、どこまでならやれるかということが、この1年間の取り組みで少しずつ分かってきて、それは先生たちの働き方の負担軽減にもなりますし、隣にいる教頭とも、データ化・共有しているので、教頭任せではなく、これぐらいだったら、自分がぱぱっとやれるよというようなことも起こっています。事務職員とも色々な連携ができているので、どこまで守って、どこはクラウドに置いてやっていくかというようなあたりを、考えていくことが大事ではないかと思っているところです。 以上です。よろしくお願いいたします。【堀田座長】ありがとうございました。 では、山口委員、お願いいたします。【山口委員】よろしくお願いします。埼玉県立大宮北特別支援学校校長の山口と申します。この会には、私、全特長、全国特別支援学校長会事務局の次長の立場で参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 GIGAスクール構想によるタブレット端末の整備、それから、ネットワークの整備については、特別支援学校においても全く同じように整備をいただきました。ただ、本当に個人的には、特別支援学校でタブレット端末、どんなふうに活用できるのだろうかということで、大分不安に感じていました。しかし、結論から言いますと、本校などは、大分スタート段階は立ち後れていたのですが、本校も含め、それから県内の学校、また、全特長で交流する他県のお話なんかを聞いていても、急速に特別支援学校でもタブレット端末の活用は進んでいます。 それと並行して、本校の場合は、今年度、欠席連絡も電子化し、それから、保護者面談をオンラインでやり始めました。また、学校評価の保護者アンケートも、遅まきながら、今年度、電子化したところ、保護者の回答率もぐっと上がったというような成果もあります。 また、特別支援学校の児童生徒は居住地の小中学校の交流というのを、伝統的に交流及び共同学習ということでやっているのですが、これについても、コロナのことがあって、直接行くのがなかなか難しいケースについて、オンラインでの交流というのは複数回、本校も含め、始めているところです。 本当に、まだ1年たっていないのですが、割と短い期間の間でも、当初、私が懸念していたよりも、ずっとスムーズに児童生徒、それから保護者、そして教職員も、細かい点、難しいところがあるかもしれないですが、思ったよりもかなりスムーズに、特別支援学校においても取組が進んでいけているなというふうに思っています。ですから、それを更に進めていくという上での本会議での協議というのは、とても重要だと考えています。 ただ、1点、特別支援学校は学習の評価が数値ではなくて、基本が記述式です。これは全国的にやっているので、小中学校、高校のシステムをそのまま、どうぞ使いなさいというふうに言われてしまうと、そこには工夫が必要となります。それについては、全特長の方でもまた議論しながら、話題提供をさせていただければと思っています。 とにかく、よりうまいデザインを創って提供していくということがとても大事だなと感じています。 今後ともよろしくお願いいたします。【堀田座長】ありがとうございました。 渡部委員は御欠席でございます。 私も委員の1人ですので、一言だけ申し上げたいと思います。今日は、教頭会の御発表と、事務職員研究会の御発表をいただきました。この発表のために色々調査もしていただいたりしながら、非常に貴重なデータをいただいたと思っております。先ほど、妹尾委員もおっしゃったように、この実態把握というのは、私たちは調査ばかりをお願いしてはならないものの、実態、現状どうなっているかということを把握することはとても重要だと思います。 一方で、この委員会は専門家会議ですので、将来をちゃんと描ければというふうにも思います。例えば、先ほど水谷委員がビジネスチャットは便利ですよと、使っていますよとおっしゃいましたけども、自治体によってはそういうものは全部禁止しており、そのため結果的に教師はそういう存在を知らなかったりする。でも、ビジネスチャットと言うぐらいですから、多くの企業では普通に使われていて、私も研究室の運営ではとても便利に使っています。ビジネスチャットなしで情報共有は考えられないわけですけど、でも、学校では、そういうのがあることを知らないという感じになっているわけです。 つまり、私たちは、これは専門家会議ですから、色々なお立場から来ていますので、少し先にこうなるべきだということをちゃんと描き、そこにすぐにたどり着くわけじゃないけども、段階のようなものをしっかりと示していけるといいなと。その途中では、法令とか、制度の色々な改正が要求される部分もあるし、予算要求をしなきゃいけないみたいなこともあるので、ここは文科省さんと一緒に力を合わせていく必要があるのかなというふうに思っております。 座長として、ここはしっかりと運営してまいりたいと思いますし、文科省にお願いするばかりの会議ではないので、私たちが色々考えていくということになります。 という観点から、私どもの意見を今、たくさん拝聴したところですが、これに対して文部科学省側から少しコメントをいただければと思います。 今日は、学習基盤審議官の茂里審議官がお見えですので、茂里審議官に一言お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。【茂里学習基盤審議官】ありがとうございます。皆様方から様々なお立場から、様々なアドバイスや御意見、本当に参考になります。ありがとうございました。 せっかくお時間をいただいたので、1つ、この状況をちょっとお話ししますと、昨日、1つ大きな区切りがございました。何の区切りかといいますと、来年度の予算について、財務大臣と文科大臣の大臣折衝が行われたわけなんですが、今回、文科省の案件は1件、それは教科担任制、要するに先生の加配について、財務大臣と文科大臣が協議をした、折衝したということでございます。 結果、1,000人増ということが認められたわけなんですが、実は1,000人は加配で、それ以外に少人数学級、35人学級の小学校3年生分の4,000人近くもプラスになっているわけでございます。当初、概算要求したときには、財務省からは、去年、35人やって、今年も増やすのに、まだ増やそうとしているのかというような、きついお言葉をいただいたわけですけども、やはり世の中が教育に対して非常に関心を持っている。また、教育の質を上げるために、働き方改革を進めていく、そういったことへの世の関心というものがあるわけでございまして、そういったことを背景にしながら、御説明、説得をしてきたわけでございます。 参考資料で、公立学校における働き方改革の推進というものを御用意させていただきました。この中で、文科省がやることということで、勤務に係る制度改正であったり、そのほか、四角の部分で囲んだところで色々な取組をさせていただいております。今ほど申し上げましたのが、最初にあります教職員定数の改善、35人学級でございます。その横にあります教科担任制の推進ということで、これは新たに加配をするということが初めて認められたものでございます。 また、これまでも行ってきましたが、支援スタッフ、教員の業務支援員とか、部活動指導員、そういった支援スタッフの配置、また、部活動の見直し、そのほか、来年の通常国会に提出を予定しております教員免許更新制の廃止と検証、ICT環境のハード、そしてソフトの整備、学校向け調査、先ほどお話が出ていましたけども、その削減、更には学力テストのCBT化など、こういった制度改正や予算に係るものについて取り組ませていただいてございます。 また、その下にあります教育委員会さんや、学校、こういった取組とタッグを組みながら、全体を通じて働き方改革、先生の校務の効率化を図れればいいかなというふうに思っております。全く色々な関係者がいるわけですけども、同じ意識と、それぞれ与えられた役割というのをしっかりこなしていくことが、最終的には先生方の働き方改革につながるものだと確信しておりますので、文部科学省もそのチーム学校の一員だと自負しております。このチーム学校でこの課題をしっかりと議論し、よい方向で取りまとめてまいりたいと思います。 今日は本当に貴重な御意見、ありがとうございました。【堀田座長】ありがとうございました。予算折衝というのはとても大変だと感じております。御努力に感謝したいと思いますし、この成果をちゃんと有効に活用できる学校運営の形、そのための校務の情報化の見直しという形で進めてまいりたいと思います。 本日、議題はここまでといたします。次回以降の日程につきまして、事務局よりお願いいたします。【須原専門官】第2回会議日程等は追って御連絡いたします。どうぞよろしくお願いいたします。【堀田座長】では、本日のこのGIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議の第1回は、これにて閉会いたします。 皆さん、お忙しいところ御参加、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。 ―― 了 ――

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